「“なんだよコイツ”と思いながらも、見ていて面白い」夢に向かって突き進む孤独な男の狂気と悲哀を描いた『ボディビルダー』

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【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第322回】『ボディビルダー』
アメリカの田舎町で、病気の祖父を介護しながら暮らしている青年キリアン・マドックス(ジョナサン・メジャース)。収入が少なく友人も恋人もおらず、孤独な日々を過ごす彼の夢は、世界一のボディビルダーになって雑誌の表紙を飾ること。日々、過酷なトレーニングと食事制限に打ち込むキリアンだったが、体は悲鳴を上げ、心のバランスを崩し精神が蝕まれていく。そして、ある事件をきっかけに、狂気の世界へと突き進んでいく。

主人公の人生と変わりゆく心情

お仕事お疲れさまです…と冷静に言えないほど、衝撃的な作品に出会いました。

アメリカの小さな田舎町に住む1人の男、キリアン。友達も恋人もいないけど、大きな夢だけはあった。それは一流のボディビルダーになって雑誌の表紙を飾ること。

もう本当に…人間はムキになると見苦しい。自分に厳しいことは大事だけど、その気持ちが行き過ぎた瞬間、ただのワガママな人になります。側から見ていてもイラッとしたり哀れだなぁと思いながら、溜め息ついてしまう。

でも、“こんな人、どこかで会ったことある”と思ってしまうのが、また刺激的。

本作は、キリアンの人生はもちろんだけど、変わりゆく彼の心情にフォーカス。素敵な夢を持っていたのに、ムキになり始めたら何もかもうまくいかなくなります。

彼は筋肉のことしか頭にない。ボディビル大会で優勝すれば、その世界では注目されますが、キリアンは出場してるだけで自分は大スターだと勘違い。“なんだよコイツ”と思いながらも、なんか見ていて面白い。

もちろん、ボディビルダーは筋肉のことを一番に考えないとダメです。大会前は筋肉のパンプアップ、トレーニングも命懸けです。私も身体の美を競うフィジークでボディビル大会に出場したことがありますが、女性らしさを兼ね備えた部門でも、毎日ジムに行くことばかり考えてました。

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