「“なんだよコイツ”と思いながらも、見ていて面白い」夢に向かって突き進む孤独な男の狂気と悲哀を描いた『ボディビルダー』

「本人の頭の中では有名人。ハッキリ言って痛い」

この映画ではムキムキを目指してるからこそ、いろんな違法なモノにも手を出してしまう。それも残念だけど、もっと最悪なのは女性に声を掛けても自分の思い通りにならないとキレてしまうところ。

ディナーでは筋肉の話ばかりでフラれる始末(そりゃ当然)。優しい言葉を掛けてくれる女性は大切に扱うものの、嘘を正論に塗り替える身勝手さ。怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントも何もなく、気に入らないと罵声を浴びせ、いつも自分にとって都合の良いものにすり替えてしまう。

「見て! 俺だぜ!」の態度は誰よりも大きく、彼を知ってる人は誰もいないのに、本人の頭の中では有名人。ハッキリ言って痛い。世の男性は、キリアンが何を大事だと思っているのか、話をぜひ聞きに行ってください。キリアンがとんでもないことをやらかすのでは?…とラストに向かいながら緊張すらしました。

さて、久しぶりにジムにでも行こうかなぁ〜。

ボディビルダー
監督・脚本:イライジャ・バイナム
出演:ジョナサン・メジャース、ヘイリー・ベネット、マイク・オハーン
配給:トランスフォーマー
12月19日(金)シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

「週刊実話」1月1日号より

LiLiCo(リリコ)

映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。