原口あきまさ祝デビュー30周年!“憑依型ものまね”の極意とさんまネタ誕生秘話

“憑依型”の極意は声ではなく「間」をまねること

──現在も、常に最新のさんまさんにアップデートされてますよね。
原口「当時は『ものまね四天王』で、デフォルメされたネタはやり尽くされてたんです。そこでコージーさんと話をして、僕らはものまねをリアルに表現していくしかないと。
そうするうちに気付いたんです、ものまね界にツッコミの椅子がポカンと空いてることに。ここに座り続けるには、さんまさんのものまねを極めるしかない。さんまさんもどんどんバージョンアップするから、こっちもバージョンアップしてついていかないと。
そのうち、ツッコミをレパートリーとしたものまねが増えていくんです。加藤浩次さん、矢部浩之さん、東野幸治さんだとか。ものまね芸人に回せる人があまりいなかったというのもあります」

──日頃、相手のどこを見てまねるんですか?
原口「バラエティー番組でひな壇に座るとき、MCがレパートリーの方だと、ずっとその人の動きばっかり見ちゃうんです。だから、自分が振られたときに準備できていないときがあって。
そういうときはものまねでごまかしながらリカバリーするんですが、みんなでツッコむところをワンテンポ遅れたりして。良くしていただいてる矢部さんを観察しすぎて、プライベートの口調のものまねが咄嗟に出ちゃって、ご本人から後で『誰が分かんねん』とツッコまれたこともあります」

──もう職業病ですね。
原口「でも“憑依型ものまね師”を名乗る以上は、“陰”の部分も極めておく必要があるんです。例えばタカさん(石橋貴明)の場合、最初はタカさんの強いキャラクターから『だましい!』とかが生まれていくんですが、次第に“陰”のタカさんも出てくるんです。
これは一つの発見だと思っていて、憑依型ものまねを極めていくには、聞く側の姿勢も吸収しないといけないなと。タカさんの『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系)という番組で、話を聞くタカさんを発見したんです」

原口あきまさ(C)週刊実話Web
──もう表情からそっくりなんですよ!
原口「こういう“聞く側の間”というのもあるんです。その人がここにいると考えたら、究極的にまねなければならないのは、実は声じゃないんです。喋ってなくても、その人の独特の雰囲気を伝えるのは、その人だけが持つ“間”なんです。実は、僕はものまねというよりも“間のまね”なんですよ。言っちゃった(笑)」

──それが“憑依型ものまね師”の極意なんですね!どうやって他人の間を自分のものにするんですか?
原口「何かを見て確認するというのではなくて、もう直接お会いしたときの感覚や会話で吸収していくというか。東野さんだと『全然全然全然全然全然』。すげー全然言うなぁ、とかそういうとこですね(笑)」

原口あきまさ(C)週刊実話Web
──常人には不可能な技術です。おみそれしました。

「週刊実話」12月4・11日号より

原口あきまさ(はらぐち・あきまさ)

1975年11月3日生まれ。福岡県出身。2000年に明石家さんまのものまねでブレイクし、『開運! なんでも鑑定団』(テレビ東京系)ほか、多くのバラエティー番組に出演。公式YouTubeチャンネル『原口あきまちゃんねる』も随時更新中。