原口あきまさ祝デビュー30周年!“憑依型ものまね”の極意とさんまネタ誕生秘話

自信と葛藤の果てに生まれた「さんまものまね」

──急なものまねでビックリします(笑)。デビュー当時はコンビで活動してましたが、どうしてピンに?
原口「いろんな人とコンビを組んで、漫才、コントなんでもやりました。でも続かなくて、相方探すのが面倒になっちゃって、これはピンなのかなと。ただ、心のどこかに自信があったんですよ、いつか売れるんじゃないかみたいな根拠のない自信がね」

──若い頃ですもんね。
原口「それでもピンになるにあたって何かやらないと、と思って。ものまねは中学生の頃からやってたんですが、最初はすごい葛藤があって。人のキャラを借りて、その人の言ってることをまねて、それを自分の芸と言っていいのかと。
そこで生まれたのが、ものまねコントだったんです。最初はとんねるずのタカさんとノリさんが、当時流行していたスキャットマン・ジョン風に坂東英二さんの楽屋を訪ねて行くという…。『ピーパパパラポ』『いやーもうボク坂東』みたいな(笑)」

──これはオリジナルですね(笑)。
原口「でも、当時のオーディションだと『何をやってるか分からない』って言われちゃうんです。結局、まだ誰もやってない“新しい誰か”が欲しいんだと。そこで僕も若かったからカチーンときて、『じゃあさんまさん、できます!』と言っちゃって。やったことないのに、さんまさんが頭に浮かんだんです」

──原口さんの代名詞となるものまねが生まれた瞬間ですね。
原口「ヤバいと思いながら、必死に自分の中のさんまさんのイメージを突き詰めて「イヤー!ワッホー!」ってやったんですよ。そしたら面白いって言ってくれて、出演が決まったんです。
それで『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)をアレンジしたネタをつくったんですが、肝心のさんまさんの声がなかなか近づかなくて、前歯を付けてみたら意外と似ちゃったんですよ。周りもノセてくれて番組に呼ばれるようになって。
でも、当時のさんまさんのものまねは、恥ずかしくて見てらんないですね。力が入りすぎてて、全然ナチュラルじゃないし」

原口あきまさ(C)週刊実話Web
──とはいえ、さんまさんのものまねは衝撃的でしたよ。
原口「誰もやったことないものまねだったから、後は動きでごまかそうと思って。声が近づかないんだったら、画面をいっぱいに使った動きやフレーズで似せようと。それがうまくハマったんです。
当時、運良くコージーさんがいらっしゃって、2人の掛け合いがウケて、いろんな番組に呼んでもらえるようになりました。コージーさんとは現場から現場への移動中も掛け合いをやって、これが千本ノックのようで鍛えられましたね」