朝、起きた時に腰が痛いことはよくあります。起床後すぐに顔を洗う際に腰をかがめたら、腰に痛みが走ったという人も少なくないと思います。しかし、これは年を重ねていくと、誰にでも起こりうる症状です。
夜、寝ている間に腰の関節や筋肉が固くなり、朝になって動き始める際に感じるギシギシとした痛みは、必ずしも病気というわけではありません。車も中古車になれば朝エンジンがスムーズに動きにくいのと同じです。
とはいえ、朝目覚めた時の腰の痛みも、なかなかキツイもの。ベッドや布団の中で背伸びをして、そのまま身体を左右にゆっくりひねって、少しでも体操をしてから起きるように心がけてください。パッと急に起き上がると、腰痛をきたしやすくなります。夜に尿意で目覚めて急いでトイレに行く時に腰痛や膝痛が起こるのも、これが原因です。
すぐに治る場合は問題なし
朝の腰痛がすぐ治る場合は、たいていは大きな問題はありません。ただし3~4日以上、痛みがいつまでも腰の同じ部位に起こり、起きてからすぐに軽減しない場合は何かの病気が生じている可能性があります。
さらに痛みの強さが増すようであれば、整形外科を受診してレントゲン検査などを受けてください。「たいしたことない」と言われたら心配する必要はありません。
なお、痛みが強い場合は、薬や湿布を用いて治療していきますが、朝に限らず日中、いつでも体操やストレッチを行う習慣をつけると腰痛予防になります。
監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp
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