「自民党をブッ壊すッ」悪しき派閥政治を断ち切る小泉純一郎の改革

首相官邸HPより
永田町取材歴50年超の政治評論家・小林吉弥氏が「歴代総理とっておきの話」を初公開。今回は小泉純一郎(下)をお届けする。

「対米追従」が色濃かった小泉純一郎

「変人」「希代のパフォーマー」とされながら、5年余の長期政権をまっとうした小泉純一郎ではあったが、その政権実績には“功罪”がつきまとっている。

外交ではイラク戦争への自衛隊派遣、さらには多国籍軍への参加を果たしたが、これがやがて「仁義なき戦争」であることが明らかになるなかで、小泉の説明はいかにも大雑把さが目立ち、結局は「対米追従」が色濃く浮かび上がった。

訪米の折、ブッシュ大統領の前でロックの世界的人気歌手、エルビス・プレスリーのまねをしてみせた小泉は、これをテレビなどのメディアで報じられ、日本国内の世論から「一国のトップリーダーとして軽すぎる」との批判も頂戴した。

ちなみに、電撃的な北朝鮮訪問で拉致された被害者の一部を帰国させたことは、唯一、外交面での政治決断として評価されている。

一方、内政では「改革なくして成長なし」「おそれず、怯まず、とらわれず」と、例の分かりやすいスローガンを多用し、規制緩和や歳出削減を軸とした構造改革を断行、道路公団の民営化など成果を上げた。

しかし、医療費増大や児童扶養手当の削減で「弱者切り捨て」の非難を浴びるなど「格差社会」を浮き彫りにし、小泉改革は少なからず“負の遺産”も残している。

その小泉改革における内政の“目玉”は「郵政民営化」であった。

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