史上初の退場、空白の1時間19分、「ロッテより弱い」野球ファン熱狂の日本シリーズ事件簿【昭和後期編】

王貞治 (C)週刊実話Web
【日本シリーズ珍事件簿1】
いよいよ目前に迫ってきたプロ野球「日本シリーズ」。頂上決戦を制してチャンピオンフラッグを手にするのはどのチームか。今回は日本シリーズで、過去に起きたさまざまな事件をご紹介。目を見張る騒動のオンパレードだ。(全2回中の1回目)

日本シリーズ史上初の退場事件 

1969年の日本シリーズ第4戦(読売ジャイアンツ-阪急ブレーブス、10月30日後楽園球場)で起こったクロスプレイの判定をめぐるトラブル。 4回裏、3対0とリードされた巨人は、無死一・三塁という好機を迎えた。

ここで巨人は、一塁走者の王貞治が二塁に向けてスタートをきり、阪急の捕手・岡村浩二が二塁に送球したのを見定め、三塁走者の土井正三が本塁突入を図るという、いわゆる重盗(ディレードダブルスチール)を試みた。

このとき、打者の長嶋茂雄は三振に倒れ、送球は二塁手の山口富士雄が本塁に返球。本塁に突入した土井は、ショートバウンドした球をキャッチした岡村に跳ね飛ばされたように見えた。

しかし、実際には土井の左足が岡村のブロックの隙間から本塁を踏んでおり、球審はこれをセーフと判定。

完璧に土井をブロックしていたと確信していた岡村は激高し、球審をミットで殴打し、日本シリーズ初の退場処分(危険球退場を除く)を受けることとなった。