森喜朗政権がたった1年で幕を閉じたワケ 退陣後は“後見人”として各政権の誕生を演出

「内閣支持率10%を切った森に褒められて、よかったのだろうか」
首相当時、度々の失言、放言で物議をかもした森喜朗ではあったが、一方で個々の対人関係では、神経のこまやかさを見せることがしばしばあった。
退陣して2年余ほど経ってインタビューしたときのことが、鮮明に思い出される。森は、筆者の早大雄弁会の先輩にあたり、それ以前に会ったのは首相になる6〜7年前である。
森は会うなり、こう言ったのだった。
「いやぁ、ご無沙汰でしたな。しかし、小林さんが書かれた新聞、雑誌の記事はよく見ていますよ。政局などは、じつによく見通されている。さぁ、何でも聞いてください」
筆者の政局分析などを、愛想よく褒めてくれたのである。ここぞという場面で、人をそらさないのだ。
いくらお世辞とはいえ、筆者も首相経験者から褒められて悪い気はしない。しかし、首相退陣時は内閣支持率が10%を切っていた森に褒められて、果たしてよかったのだろうかと、取材後、改めて反省をした思い出がある。
さて、森政権は約1年で幕を閉じたが、一方で発揮された神経のこまやかさは、残念ながら政権で生かされたことがほとんどなかった。
かろうじて実績を挙げれば、選挙に対する自民党の危機感から、参院の選挙制度改革を「すすめた」ことであった。
従来の比例代表制を党名投票から、現在のように党名、候補者名のいずれかでもよしとしたのである。この方式は、一般的には与党に有利とされたから、自民党にはいささかの“貢献”をしたことになる。
しかし、森は“小渕(恵三)政治の継承”をもって政権の「正統性」としたものの、自民党内外での「密室で誕生した政権に正統性はない」という空気を払拭できず、首相としてのリーダーシップ発揮は、極めて難しかった。
例えば、平成13年(2001年)度予算案をはじめ重要政策は、党に任せきったも同然で、まったく主導権を取れなかった。「丸投げ」という言葉は、このときの森首相をもって嚆矢としたのである。
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