日向坂46“空席祭り”が示した痛烈な現実 世代交代はなぜ進まないのか?

小坂菜緒、金村美玖 (C)週刊実話Web
10月1日・2日にマリンメッセ福岡で行われた日向坂46のARENA TOUR 2025「MONSTER GROOVE」。公演自体はセットリストや演出で話題を呼んだが、ソーシャルメディアには上段スタンドに目立つ空席の写真や動画が数多く投稿され、「空席祭り」として注目を集めてしまった。

平日開催や地方公演という条件はあるにせよ、客席の埋まり具合が近年のグループ状況をあらわにしてしまったことは事実だ。

その光景を見たキャプテン髙橋未来虹は、2日目公演後に「この光景を忘れない」と心境を示した。

キャプテンの言葉は責任感の表出であり、また外部からの失望や不安の声を受け止める覚悟の表明にも聞こえる。

振り返れば近年の日向坂46は、大きな構造変化を迎えている。

グループの礎を築いた1期生が全員卒業し、新体制での再出発を図る局面にある一方、「頼れるエースはいるが、次の世代の顔がまだ見えづらい」という懸念が出ている。

1期生卒業と2期生以外の活躍

1期生の卒業はすでに区切りがついており、新体制の試みは続いているものの、観客動員という点では即効性のある効果にはつながっていない。

一方で、他グループとの差は明白だ。

ファッション系大型イベント『Rakuten GirlsAward 2025 AUTUMN/WINTER』のモデル出演リストを見ると、乃木坂46は5期生から多数が名前を連ね7人が出演。櫻坂46でも3期生の的野美青を含む5名が出演する。

対して日向坂からは小坂菜緒、金村美玖の2名のみの出演に留まり、各媒体や業界の“世代交代の物語化”にやや乗り遅れている印象を受ける。

では、何が足りないのか。空席が象徴するのは単なるチケットの数字以上に、3つの問題が挙げられるだろう。

まず「可視化された人材の不足」だ。ライブという場は“見せる”ことが命であり、誰がセンターとなり、誰に注目が集まるのかがはっきりしないと、ライトな観客は来場の決め手を失う。

現状は小坂・金村という“二大エース”に頼る構図が続いており、正源司陽子・藤嶌果歩という次世代エース格はいるものの、4期生以降の“次世代の顔”がまだ確立していない。

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