「推すなんて言い方は不遜だね」伊藤蘭ファン歴50年・石黒謙吾が見つけた“死ぬまでの目標”

石黒謙吾 (C)週刊実話Web
村瀬秀信氏による人気連載「死ぬ前までにやっておくべきこと」、今回は全ラン蓮代表・石黒謙吾氏のインタビュー(後編)をお届けする。キャンディーズ・伊藤蘭に命を懸けた50年来のファンの生き様を見よ。

アミューズ・大里洋吉会長の尽力で同窓会が実現

キャンディーズが活躍していた当時。ファンクラブとは異質の、自主的に集まった「全国キャンディーズ連盟」(通称・全キャン連)という組織が全国に9支部存在していた。

彼らは歌に合わせてコールの練習をし、統制された紙テープ捌きを見せるなど、今日のアイドル文化へと続く礎を作り上げていく。

だが人気絶頂の1978年、キャンディーズは美しく解散して連盟は自然消滅。人々は熱を帯びたまま宙ぶらりんとなり、物語は伝説となった。

30年の時が流れた2008年4月4日。キャンディーズが解散した同日、後楽園球場の跡地であるJCBホール(当時)で「全国キャンディーズ連盟大同窓会2008」が2000人のファンを集めて開催された。

このイベントの発起人代表を務めた人こそ、現役時は北陸支部で最年少クラスの参加者だった石黒謙吾であった。

「前年に全キャン連の中心メンバーだった方の葬儀で集まった先輩たちが『来年の解散30周年に何かやりたいね』という話になって、その中にいた知人が連絡をくれた。
そこで、元マネジャーで、アミューズの大里洋吉会長に手紙を書いてお会いして、大里さんの尽力でこの同窓会は実現したんだよ。
当日は全国から当時を知る筋金入りのファンが集結し大成功。その翌月には背中を押されて『新生・全キャン連』を起ち上げることになったんだ。このイベントは僕の人生でも大きな出来事でね。
末期がんで入院していた父がイベントの頃に危篤になった。でも待ってくれたんだね。4日が終わってすぐ亡くなったんだ」

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