「神の国」「寝ていてくれれば」「アレは事故でしょ」失言、放言のオンパレードだった森喜朗の素顔

首相官邸HPより
永田町取材歴50年超の政治評論家・小林吉弥氏が「歴代総理とっておきの話」を初公開。今回は森喜朗(上)をお届けする。

「私はリーダーシップをきちんと発揮した」

「いま政府の立場だからややもすると及び腰になるが、しっかり前面に出して、日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんに承知してもらう。その思いでわれわれが運動し、30年が経っている」

「(有権者は)関心がないとか、分からないとか、まだ決めていないというのが40%くらいある。関心がないとして寝ていてくれればいいが、やはりそういうわけにはいかないだろう」

「秘書官が『何かあれば連絡を入れます。次の連絡までそこにいてください』というので、そのままゴルフのプレーを続行したんだ。私が行かなかったことで、何か対応が遅れましたか。何も遅れてはいないはずです。無理やりこじつけて、私を批判しようとしている。それぞれの司、司の皆さん(役所、または役割を担う役人の意)が動いているんだ。危機管理ですか、アレは事故でしょ。私は、リーダーシップをきちんと発揮したと思っていますよ」

これらはいずれも、森喜朗が首相の座に就いてからの発言で、森が放つ言葉の「軽さ」は、失言、放言として批判の対象となり、内閣支持率を大きく落とす要因となった。

ちなみに「神の国」発言は、平成12年(2000年)5月、神道政治連盟国会議員懇談会の結成30年記念祝賀会で飛び出したもの。

「寝ていてくれれば」は同年6月の総選挙で遊説中に放った愚痴。

「アレは事故でしょ」は翌年2月にハワイ沖で、愛媛県の宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が米国の原子力潜水艦に衝突され沈没した事故に際し、折からゴルフ場にいた森は一報を受けたもののすぐ官邸に戻らず、記者団から「危機管理」の欠如を問われて反論したときの言葉であった。

歴代総理とっておきの話】アーカイブ