北朝鮮“ポスト金正恩”の大本命は? 娘・金ジュエ後継者説には異論続出

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北朝鮮の金正恩総書記(国務委員会委員長)の後継者を巡り、娘の金ジュエ氏(名前は未確認)なのか、それとも別人なのか情報が錯綜している。

今夏、韓国メディアの中国・北京駐在特派員たちの間で一つの噂が出回った。

それは「正恩氏の息子とみられる男子が北京のインターナショナルスクールに通っている」というものだった。ただし、証拠は一切なく裏付けもないため、記事になることはなかった。

「韓国では『正恩氏にはジュエ氏を挟んで上と下に息子が2人いる』との見方を示す複数の専門家がいるのは確かです。
国家情報院長(諜報機関)を務めた与党『共に民主党』の朴智元・議員もその1人で、9月8日、韓国のラジオ番組で『金ジュエ後継説』を否定し、『息子は西側世界のどこかに留学しているだろう』『それを隠すためジュエを目立つようにしている』との持論を展開しました」(韓国人ジャーナリスト)

朴議員の挙げた根拠は二つ。(1)「社会主義国家や封建制度下で娘が後継者となり国家元首になった例はない」、(2)「今なお家父長的な文化が強い北朝鮮社会の特性から考えると女性が後継者になる可能性は低い」という内容だ。

「ファーストレディーである李雪主夫人に対する呼称の変化が、息子誕生の可能性を物語っているという説もある。
ある高位脱北者は『数年前、李雪主同志から李雪主女史に呼び方が変わったことがあるが、北朝鮮では金日成主席の生母・康盤石氏や金正日総書記を産んだ金正淑氏にも女史という呼称が付けられた。女史への呼称変更は後継者となる息子誕生と密接な関係にある』と指摘している」(同)

確かに、先軍政治下にある北朝鮮で軍が女性首領の命令に従うとは思えない。そもそも“核ボタン”を女性に持たせるのも疑問だ。

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