防衛産業に官民癒着が蔓延るワケ 安全靴からゲーム機、フィットネスバイクなど供与で93人を処分

50万円相当の物品を受領した隊員も

隊員は、(1)艦内業務に使う物品(モニター、ケーブル類、ライト、雨衣・防寒具、ビジネスチェア、座布団など)、(2)艦の整備作業に使う物品(塗料・刷毛、工具類、安全靴、作業着、清掃用具など)のほか、(3)艦内での生活に使う物品(ポータブル冷蔵庫、炊飯器、コーヒーメーカーなど)を受け取っていた。

「また、約10人は川重から1人数万円から約50万円相当の物品を受領していました」(同)

物品の種類は、ゲーム機、ゲームソフト、バイク用レーダー探知機、ドライヤー、ゴルフのキャディーバッグ、バイク用の雨衣上下、空気清浄機能付き扇風機、ダイバーウオッチ、登山靴、スケートボード、Tシャツ、リール・釣り竿ケース、高圧洗浄機、財布、ワイヤレスイヤホン、電子タブレットなど多岐にわたる。

ある隊員は、監督官在任中、川重側から、フィットネスバイクやマットレス、掃除機、リュックサック、スマートウオッチ(計約20万円相当)を受け取っていた。別の監督官経験者はバレーボール用アンテナ、アルミ足場台、ビーチバレーボール、ボール収納籠(計約5万円相当)を受領していた。

潜水艦乗組員は、川重側と懇親会を開催して関係を深め、飲食代金については、川重側が全額負担したり、潜水艦乗組員側が1人2000~3000円程度を負担するだけで、残りを川重側が支払ったりするなどの行為が繰り返された。

新型コロナウイルスを機に会食の機会は激減したものの、こうした接待は、長年にわたり続いていたようだ。

「潜水艦乗組員からの要望に応えるため、架空取引でプール金を作り、その原資にしていた。契約の一部を不履行にする方法も取られたようです。川重の担当者は『潜水艦乗組員から要望を受けたので、調達のために架空取引を始めた』と説明しています」(防衛産業関係者)