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ウッドショック…何と1年で6倍! 木材の高騰に住宅業界激震

(画像)Khosro / shutterstock

木造住宅に欠かせない輸入木材が高騰している。米国における住宅ブームで木材需要が高まったほか、コロナ禍で海上輸送コンテナが世界的に不足したことが要因だという。

「米国がカナダや欧州から木材を輸入し、木材相場が高騰しました。今は世界的に〝ウッドショック〟が深刻です」(大手商社)

煽りを食ったのは国内の住宅業界だ。日本は世界有数の木材輸入国で、2019年に北米で木材業界のストライキが起きた際も、流通量が大幅に減って苦しんだ経緯がある。

「少ないパイの奪い合いで木材価格は高止まりしており、木材の先物価格は約1年間で6倍まで高騰しています」(経済アナリスト)

中でも住宅の要になる柱や梁に使用される米国産松製材が値上がりし、もはや住宅価格を値上げするしかない状況だという。

スギやヒノキなど国産材の価格も上昇

国内最大手の住宅資材・住設機器メーカーの『リクシル』は、今期の業績見通しについて「大きなリスクはウッドショックによる国内新築着工の遅れ」と指摘。また、国内トップクラスの外装建材メーカーの『ニチハ』は、今期の年間新設住宅着工数が5%程度減少すると想定している。

輸入材の代替として、スギやヒノキなど国産材の価格も上昇している。

「国産材も相場より2倍近く値上がりしています。注文住宅の引き合いが増える中、木材価格の変動で工期の見通しが立たず、新規注文を受けられません」(大手住宅メーカー幹部)

これから夏に向けて、米国では木材の需要が最盛期を迎え、さらに木材価格の上昇が見込まれる。

新築住宅は住設機器や電気工事、内装工事など多くの業者が関わっている。このままウッドショックが長引くと、国内経済に大きな打撃をもたらすだろう。

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