植民地支配へ「心からのお詫び」を明記 内閣支持率20%から40%に上昇させた小渕恵三の手腕
弁論部にボディビル、書道部掛け持ち
小渕恵三のしたたかさは、すでに早稲田大学文学部英文学科時代に窺われた。
小渕が入学して間もなく、父親の小渕光平は衆院選で悲願の返り咲きを果たしたが、その3カ月後に急死してしまう。光平は叩き上げで製糸や電気関係の会社を起こして成功した人物だったが、選挙は弱かった。
初出馬で落選、次の選挙で初当選を飾ったが、なんと、その後は3回連続して落選、そのあとようやく2回目の当選を果たした直後に亡くなった。小渕は自分が跡を継ぎ、そうした父親の怨念を晴らしてやろうと誓ったのである。
ために、まず早大では雄弁会(弁論部)に入った。もともと小渕は口の重いほうで、弁論術をマスターする必要性を感じたからであった。
また、雄弁会と同時に、腹の底から声を出すため詩吟の会にも入り、政治家は体力勝負も辞さずとばかりにボディビルまで始めている。
面白いのは、加えて書道部のサークルも掛け持ちしていたことであった。筆者がある機会に、なぜ書道部だったのかを問うと、小渕いわく「政治家になれば色紙を頼まれることも多かろうと考えた」であった。
なんとも早い“準備”であり、振り返れば小渕という一見すると茫洋とした政治家の、秘められたしたたかさが垣間見えたのである。
そうした小渕は首相時代の半ばあたりから“変身”するようになり、政権発足当初の「凡人」「真空総理」「冷めたピザ」といった評をことごとく覆すことになる。
内政では折からの不況下、迫られている「財政構造改革」を思い切って棚上げし、政策の照準を景気回復一本に定め、これを手始めに金融システムの安定化にも一定のメドをつけてみせた。
また、新しい「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」など、小渕内閣より前の村山(富市)、橋本(龍太郎)両内閣での懸案や、積み残し法案を次々に成立させていった。
【歴代総理とっておきの話】アーカイブ
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