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北朝鮮ついに青年学生が蜂起の狼煙!? “女帝”金与正も制御不能…

北朝鮮ついに青年学生が蜂起の狼煙!? “女帝”金与正も制御不能…
北朝鮮 “女帝”金与正も制御不能(画像)em_concepts / shutterstock

5月17日、米政府系放送局『自由アジア放送(RFA)』は北朝鮮の首都・平壌の高層ビルやマンション街で、金正恩(朝鮮労働党総書記)体制を批判するビラが大量に散布されたと報じた。

この前代未聞の出来事は〝金王朝〟の世襲独裁体制が、大きく揺らぎ始めた証拠である。

「ビラの内容は痛烈でした。《3代長期独裁政権にわれわれ人民は騙され、アジアの最貧国に落ちている。われわれ人民が総決起して金正恩独裁者を倒すべきだ》と民衆蜂起を呼び掛けており、国家保衛省が非常事態として厳しく取り締まっているようです」(国際ジャーナリスト)

ビラを散布したのは、金日成大学理工学部のエリート学生といわれ、兄の正恩氏に代わって国民の思想統制を強める金与正党宣伝扇動部副部長は、大きなショックを受けているという。

現在、北朝鮮は経済の落ち込みが激しく、労働党の幹部でさえ配給物資が届かない状況にある。本来なら今ごろ「モネギチョントゥ(田植え戦闘)」の真っただ中だが、コロナ禍の影響で中朝国境に徹底した防疫体制が敷かれ、中国から肥料や農業資材などが入ってこない。そのため、田植えに取りかかれずにいる。

このような経済危機を乗り越えるため、正恩氏は第2の「苦難の行軍」と「自立更生」を打ち出す一方、党幹部だけでなく民衆の不平不満を抑えるために恐怖政治を再開している。しかし、現状はそれに抗する勢力が台頭しているようだ。

1990年代半ばの「苦難の行軍」では、飢饉と経済政策の失敗によって150万人以上の国民が餓死したにもかかわらず、指導者は贅沢三昧の生活を送っていた。これについてはビラでも批判されている。

“世界の非常識”金一族の生活が許せない

「金一族の別荘は『特閣』と呼ばれ、全国に24カ所もの超豪華施設がある。この事実を国民の誰もが知っていますが、口にすれば粛清されるので黙っているだけです。しかし、批判精神が旺盛で国を信用していない青年学生たちは、世界の非常識である金一族の生活が許せないのです」(北朝鮮ウオッチャー)

北朝鮮は、青年層を主体とする団体「金日成・金正日主義青年同盟」(加盟者約500万人)を組織化し、朝鮮労働党の決定を貫徹するための土台と位置づけてきた。しかし、この青年同盟にも、かつてない異変が生じている。

「第10回大会は4月に開かれる予定でしたが、なんの予告もなく延期され、1カ月近く遅れて開催されました。これが異変の1つ目で、2つ目は最高指導者の正恩氏が大会を欠席したこと。そして、最大の異変は団体名から〝建国の父〟金日成主席と先代の金正日総書記の名前を外し、『社会主義愛国青年同盟』に名称変更したことです。神格化されているこの2人の名前を外すことは、これまでなら考えられません」(前出・国際ジャーナリスト)

実は、同団体の名称は何度も変わっている。

「2016年の第9回大会で『金日成社会主義青年同盟』から『金日成・金正日主義』に改称しており、今回5年ぶりに『社会主義』の名称が復活しました」(同)

青年同盟に起きた異変と前述したビラ散布は、無関係ではない。人民蜂起を呼び掛けた学生たちは、青年同盟のメンバーとみられるからだ。

「正恩氏が大会への出席を見合わせたのは、警護について心配な面があったからでしょう。また、独裁政権への批判が高まっていることで、あえて『金日成・金正日』の名前を外したのだとすれば、学生たちの不満のガス抜きをしたことになります」(前出・北朝鮮ウオッチャー)

米軍が画策する“斬首作戦”

もはや正恩氏は、政敵や反体制派を片っ端から粛清した政権就任直後の勢いを失い、〝女帝〟と呼ばれる与正氏にも、青年蜂起を制御できる力が残っていないのかもしれない。

北朝鮮の体制崩壊の兆しは、ロシアの建設現場に派遣されていた北朝鮮労働者11人が、3月、韓国へ集団亡命したことからもうかがえる。

「これを報じたのは、米政府系報道機関『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』ですが、北の関係当局はパニックに陥ったらしい。というのも、派遣労働者は亡命の機会が多いので、忠誠心の旺盛な党員しか選ばれない。これまで1人や2人の逃亡は報告されていたものの、11人というのはかつてない大人数です」(同)

ところで、5月22日に開かれた米国のバイデン大統領と韓国の文在寅大統領との初の首脳会談では、在韓米軍の韓国側の駐留費負担増が約束された。破綻寸前だった米韓軍事同盟は、ようやくほころびを修正したことになる。

また、次期在韓米軍司令官にポール・ラカメラ太平洋陸軍司令官(陸軍大将)が指名されたが、ラカメラ氏は特殊部隊の出身で、これまでパナマの独裁者ノリエガ捕縛作戦、ハイチのクーデター鎮圧作戦、イラク戦ではフセイン捕縛作戦、そして、過激派組織『イスラム国』掃討戦の指揮官など、輝かしい実戦経験を積み重ねてきた。

「在韓米軍司令官に〝斬首作戦〟に長けた人物を起用するということは、バイデン政権が北朝鮮の内部崩壊とレジーム・チェンジ(体制転換)を視野に入れたことの証しでしょう」(軍事アナリスト)

北朝鮮を揺るがす事実が、内外から一気に噴出してきた。いよいよ金王朝の崩壊が始まったようだ。

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