【難読漢字よもやま話】「時雨」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


表現が文学的
●時雨の後は虹が見えやすい!
時雨は断続的に降る雨であるため、雨が降っている最中や止んだ直後に太陽が顔を出すことがよくあります。この「雨が降っている場所と太陽の光が同時に存在しやすい」という条件が、虹の発生に非常に適しているため、時雨の後に美しい虹がかかることが多いのです。

●情緒的な表現が文学界でも大モテ
「時雨るる(しぐるる)」という動詞形も存在し、特に文学作品では「涙に時雨るる」のように、涙がとめどなく流れ落ちる様子や、涙で視界が潤む様子を時雨になぞらえて表現することがあります。これは時雨の「断続的に降る」というよりも、涙がはらはらと流れ続ける繊細なさまを表しています。

●つくだ煮をはじめさまざまな商品に使用
生姜を効かせた佃煮である「時雨煮」の名前の由来にはいくつかの説があります。一般的には「さっと煮上げる」という意味の動詞「時雨る(しぐる)」から来ていると言われます。また、お菓子やかき氷のアイスにもその名が使われています。