石破首相“ケンカ上等”の姿勢は師・田中角栄の影響か 自民党権力闘争クライマックス

石破茂 (C)週刊実話Web

【自民党政権の落日(2)】
石破茂首相(自民党総裁)が制御不能に陥っている。臨時総裁選を求める党所属国会議員は総裁選挙管理委員会に申し出ることになっており、「石破おろし」が本格化。
首相がこれに対抗するには伝家の宝刀を抜くしかなく、衆院解散のシナリオが急浮上している。衆院議員にとっては究極の脅しである。だが、解散すれば自民党は壊滅しかねない状況に追い込まれる――。(全2回中の2回目。第1回を読む

郵政民営化選挙の舞台装置を用意

公明党が石破首相にとって力強い援軍となっていることはすでに述べたが、政治改革は石破首相のライフワーク。裏金議員や旧安倍派を敵に回した首相が政治改革を争点に「国民に必要かどうか聞いてみたい」と叫んでもおかしくない。

ただ、このフレーズで思い出されるのはあの小泉純一郎元首相だろう。

小泉氏は2005年8月の記者会見で「郵政民営化法案が参院で否決された。国会は郵政民営化は必要ないという判断を下した。郵政民営化は必要ないのか、国民の皆さんに聞いてみたい」と語気を強め、衆院解散に踏み切った。

その小泉氏や山崎拓元副総裁、武部勤元幹事長らと、石破首相は8月24日の夜、東京・丸の内のパレスホテル東京内にある日本料理店『和田倉』で懐石料理に舌鼓を打った。

山崎氏が記者団に行った説明によると、この宴席でも郵政民営化が話題になったという。

山崎氏は石破首相の後ろ盾だ。雑誌『月刊日本』9月号のインタビュー記事でも「石破首相は辞任すべきではない」と全面的に擁護している。

記者団に対し「郵政民営化」という言葉をわざわざ出したのは、「臨時総裁選を行うなら、衆院を解散するぞ」という脅しに他ならない。