「旧安倍派の“石破おろし”が続投の意を強くする」政治改革解散による自民党壊滅シナリオ

石破茂 (C)週刊実話Web
【自民党政権の落日(1)】
石破茂首相(自民党総裁)が制御不能に陥っている。臨時総裁選を求める党所属国会議員は総裁選挙管理委員会に申し出ることになっており、「石破おろし」が本格化。
首相がこれに対抗するには伝家の宝刀を抜くしかなく、衆院解散のシナリオが急浮上している。衆院議員にとっては究極の脅しである。だが、解散すれば自民党は壊滅しかねない状況に追い込まれる――。(全2回中の1回目)

世論は「辞任しなくてよい」が「辞任すべき」より上

自民党が取りまとめた参院選の敗因を分析した報告書には、裏金問題が書かれていた。全国紙政治部記者はこう語る。

「石破陣営と旧安倍派の戦いが佳境に入っているわけですが、敗因の一つに裏金問題を書き込んだということは、大敗の責任は自分だけにあるのではなく、裏金問題を引き起こした萩生田光一元政調会長、西村康稔元経産相らを中心メンバーとする旧安倍派にもある、というメッセージに他なりません。
報道機関の世論調査で『辞任しなくてよい』が『辞任すべきだ』を上回っていることから、首相は強気になっています」

総裁選前倒し要求は記名のうえ書面で提出することになっており、申し出た議員の名前は公表される。

「前倒しを求める勢力からすれば、世論と逆の行動を取ることになるわけで、その心理的負担はかなり大きい。人事で冷遇されるなど石破首相の報復も予想される。
臨時総裁選の開催に必要な党所属国会議員と都道府県連代表者の過半数に達しない可能性があります」(政治部デスク)

もっとも、昨年の衆院選と先の参院選で与党過半数割れを招いた事実は重く、石破首相は引責辞任するのが筋である。