聖教新聞に「公明党敗北」の5文字は登場しない 創価学会が目指す組織復活の足かせ

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【創価学会「敗戦の夏」後編(1)】
公明党の7月参院選「大敗」を支持母体である創価学会は表立って口にしない。責任問題も有耶無耶なままだ。まさに残暑厳しい「敗戦の夏」を迎えた学会はどう組織を立て直すのか。逆ピラミッド型の内部をジャーナリストの山田直樹氏が渾身レポート! (後編 全2回中の1回目)

【創価学会「敗戦の夏」前編(1)】創価学会「敗戦の夏」池田大作名誉会長の逝去から間もなく2年“池田家のいま”

責任や制度上の問題は棚上げ

衆院選、東京都議選、参院選で3連続の大敗北を喫したのは石破自民党だけではない。連立政権を組む公明党もしかりだ。

昨年の公明党代表就任後わずか2カ月弱、同年10月に行われた衆院選小選挙区で落選の憂き目を味わった代表の石井啓一氏は政界引退した。

跡を継いだ現・代表の斉藤鉄夫氏は高齢で、自他共に「ピンチヒッター」を認めており、石井氏に続く「短命代表」の可能性は、ほぼ確定的とみていい。

公明党の次の顔は誰か。代表を決する党大会は、例年なら9月下旬~10月上旬に開催される。

では、支持母体の創価学会が組織をどう立て直すのかが重要になるが、参院選後の機関紙・聖教新聞には結果を真摯に受け止めた「公明党敗北」の5文字は登場しない。

そればかりか、「何を言いたいのか、誰に責任があるのか、制度上の問題はどこにあったのか、およそ何も答えていないと思う。あれが猛暑の中、選挙を続けてクタクタな学会活動家への労いなんでしょうかねぇ…」

知己の壮年部幹部氏が“あれ”と嘆く『何があっても王者のごとく堂々と戦い抜いた同志は信心の勝者』なる聖教新聞記事(7月24日付)が“選挙総括”風に掲載されている。

『西方(光雄・青年部長)既成政党への不信を背景に、極端な主張をする政党が急伸し、過去に類を見ないほどの与党への大逆風が吹き荒れたにもかかわらず、公明党は各地で激戦を勝ち抜きました。
原田(稔・会長)惜しくも一歩届かなかった地域でも、皆が自身の壁を打ち破り、全国に友情を広げることができました』