「旧安倍派を徹底的に潰す」石破首相が戦い続ける安倍元首相の亡霊

高市早苗、安倍晋三 (C)週刊実話Web
【政界権力闘争の末路2】
石破茂首相(自民党総裁)に対する退陣論が党内に渦巻く中、当の首相は驚異的な粘り腰を見せている。永田町では目下、総裁選を行うかどうかが最大の焦点で、党は臨時総裁選の実施を検討している。
それでも石破首相が権力を手放そうとしないのは、目的が政敵、安倍晋三元首相が率いた旧安倍派の壊滅にあるからに他ならない。石破首相と旧安倍派の最終戦争の行方は――。(全2回中の2回目。第1回を読む

石破首相と旧安倍派の対立つづく

昨年の衆院選、今年の参院選の両方で与党過半数割れを招いておきながら、石破首相が責任を取って辞任しないのはおかしな話ではあるが、政治部記者はこうみる。

「石破首相には5度目の総裁選でようやく掴んだ総理・総裁の座をそう簡単に手放すわけにはいかないという強い思いがあります。
しかし、それよりもこの粘り腰は旧安倍派に対する憎悪の念からくるものでしょう。
安倍氏が政権を担っていたとき、安倍氏も旧安倍派議員も石破氏を敵視し、旧石破派を徹底的に干しましたからね」

石破氏周辺は「衆院選でも参院選でも惨敗したのは、裏金問題を起こした旧安倍派が軒並み落選したからです。にもかかわらず、旧安倍派は石破首相に責任を転嫁しようとしている。その筆頭は安倍氏にかわいがられた萩生田光一元政調会長です」と話す。

石破首相対旧安倍派の根深い対立は続いているとみていいだろう。

7月23日昼、東京・赤坂の中華料理店。その萩生田氏は松野博一前官房長官、西村康稔元経済産業相、世耕弘成前党参院幹事長と政局を巡り意見交換した。

いずれも、言わずと知れた旧安倍派の中心メンバーである。