自民党内抗争さらに激化! それでも石破首相が政権にしがみつく呆れた理由

麻生氏は「石破おろし」を断行

だが、自民党内では「石破首相の続投などあり得ない」(笹川博義農水副大臣)として、退陣を求める動きが激化。中心にいるのは、麻生派や旧茂木派、旧安倍派、旧二階派の中堅・若手議員らだ。

党の重鎮として「石破おろし」に完全に舵を切ったのは麻生派領袖の麻生太郎党最高顧問だ。

23日に党本部で行われた石破首相と、首相経験者である麻生、菅義偉、岸田文雄3氏との会談で「石破自民党では選挙を戦えないということだ」と述べ、進退についての判断を強く迫った。

呼応するように旧茂木派の茂木敏充前幹事長は、自らが前面に出て倒閣運動を本格化。28日の党両院議員懇談会では4時間半にわたり、笹川氏や鈴木貴子衆院議員ら茂木氏に近い議員が、代わる代わる参院選惨敗の責任を追及し、首相に早期辞任を迫り続けた。

その結果、森山氏から幹事長辞任を示唆する発言を引き出したほか、議決権のある両院議員総会の早期開催を認めざるを得ない状況に追い込んだ。

両院議員総会は8月1日召集の臨時国会閉会後の8日に開催されたが、笹川氏らは「ここで一気に内堀を埋める」として、総裁選を早期に実施する決議の議決を目指す腹積もりだった。

関係者がこう話す。

「麻生氏らは総裁選早期実施の決議が議決されれば、党四役のうち森山氏を除く3人がそろって8月中に辞意を表明する流れが決定的になると踏んでいた。
鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長、木原誠二党選対委員長が辞意を表明すれば森山氏も追随するしかない。
党四役が辞めることになれば、もう後任のなり手はいない。首相の政権運営は完全に行き詰まり、いよいよ退陣は不可避になると読んでいたんです」

だが、その肝心の両院議員総会では総裁選を前倒しすべきかどうかを判断することが決定しただけ。

席上、森山幹事長は「(参院選における)自らの責任については明らかにしたい」と8月末の報告書の提出後に辞任する考えを示唆したものの、依然、石破首相は続投に意欲を見せている状況なのだ。

亡国の政治ドキュメント(2)】へ続く

「週刊実話」8月21・28日号より一部内容を変更