キングメーカー・麻生最高顧問が目論む9月「玉木政権」誕生の党内抗争

玉木雄一郎 (C)週刊実話Web
【亡国の政治ドキュメント(2)】
参院選で惨敗し、石破茂首相の辞任は不可避との見方が強まった。しかし、両院議員総会を経ても首相の続投への意欲は強く、自民党内で「石破おろし」の動きは激しくなる一方だ。
果たして、首相は最高権力者の地位から引きずり降ろされるのか。国民不在の権力闘争が本格化している(全2回中の2回目。第1回を読む

石破首相が持つ「4枚のカード」

両院議員総会で総裁選の前倒しが議題に上がったことで、“石破おろし”はさらに激化。「石破政権はアディショナルタイムに入った」(政治部記者)との声も強まっているが、そうした状況下で、首相退陣後の政局を麻生太郎党最高顧問らはどのように描いているのか。

麻生氏に近い中堅議員がこう明かす。

「茂木敏充前幹事長、岸田文雄前首相との『3頭体制』を復活させ、野党の一部を取り込んでの政権を作ろうとしている。ターゲットは国民民主党だ。玉木雄一郎代表や榛葉賀津也幹事長とは携帯で連絡を取り合っている」

麻生、茂木両氏は岸田政権時代に、国民民主を連立に入れようと動き、2022年の参院選では同党の一部候補者に推薦を出す直前までいった。

玉木氏が連立入りについて最終決断できずご破算になったが、その後もパイプは維持してきた。

麻生氏の脳裏にあるのは「玉木首相」だ。この場合の自民党総裁は茂木氏で、自民から首相を出す場合は、加藤勝信財務相を想定。総裁選が決選投票となり、反主流派の候補が高市早苗前経済安全保障担当相だけになれば、高市氏を推す考えという。

ただ、こうした麻生氏らの思惑をよそに、もはや絶体絶命にも見える石破首相の続投への意欲は強く、心はまだ折れていない。

首相に近い政府関係者が話す。

「森山氏の後ろ盾である菅氏が、確執のある麻生氏への対抗上、首相をまだ見捨てていないからだ。首相は手元に4枚のカードがある。
『世論』『訪米』『後任幹事長』『新しい政権の枠組み』だ。特に後段の2つについては、菅、森山氏と密に連絡を取っている」

確かに、報道各社の世論調査で内閣支持率は大きく落ちておらず、「辞めるべきだ」と「辞める必要はない」は拮抗している。