カルロス矢吹とは何者なのか? 肩書渋滞の“謎の大人”が明かす座右の銘3つ

「自分では作家だと思っています」

オイシックス新潟アルビレックスBCのアンバサダーも兼務するカルロス矢吹
肩書は「作家」らしい。いわゆるライター的な雑文から、チリ人妻・アニータの独占インタビュー。放送「作家」、映像「作家」もやれば、著作もこれまでに14冊。

代表作は『世界のスノードーム図鑑』(産業編集センター)、『アムステルダム 芸術の街を歩く』(大和書房)、『日本バッティングセンター考』(双葉社)、『北朝鮮ポップスの世界』(高英起と共著、花伝社)と、これまた一貫性のかけらも感じさせてくれない。

それでいながら、3児の娘の父として子育てに奮闘するという、この連載の半分がプロフィルで埋まってしまう多分野に顔を出しながら、たまにラジオ番組に出演して雲を掴むような世界の珍妙な話をしてくれる、一体何をやっているのかよく分からない“おもしろい大人”である。

「『カルロスさんは今、何をやっているんですか?』と聞かれても、昨日はこれ、今日はあれ、明日はそれと、何の関連性もないバラバラのことをやっているので、自分でもよく分からないことになっています。
強いて言えば“好きなことをやっている”ということですかね。ラジオ番組で共演した博多大吉さんには『カルロス君は趣味を全部仕事にしていたから、趣味が育児になっちゃった人』と言われましたが、その通りなんですよ。
ただ、自分では作家だと思っています。文章を書くことが軸にあるから、ほかのことも自由にやれているんです」

ライターとしてのデビューは早く、大学時代から世界を飛び回りながらWeb媒体などに小さな記事を寄稿してきた。

だが、そもそもが“カルロス矢吹”なのである。

この名前で日本ボクシングコミッション試合役員とくれば、カーロス・リベラと矢吹丈をリスペクトしすぎて、社会のボタンをつけられなくなった怪しい南米のボクサーを連れてくるインチキプロモーターだと思うだろう。

しかし、カルロスはそんな安直な期待をも、いとも簡単に裏切ってくるのだ。