“審判劇場”と化すプロ野球 巨人×阪神「誤審騒動」から見るスポーツの境界線

AIで生成したイメージ
かねてから問題視されているプロ野球の判定が、さらに批判を浴びている。物議を醸したのは、7月2日に阪神甲子園球場で行われた巨人×阪神の伝統の一戦だった。

投手戦となったこの日は8回まで0-0で、阪神はツーアウト1・2塁のチャンスで5番・大山悠輔の打席を迎える。

放った打球は巨人のショート・泉口友汰が弾き、セカンド・吉川尚輝がカバーする間に2塁ランナーの森下翔太がホームへ激走。タッチをかいくぐるようなスライディングを見せたが審判の判定はアウトで、果敢な走塁は不発に終わった。

…と思われたが、阪神・藤川球児監督がリクエストを求めると判定は覆り、待望の先制点に。

巨人・阿部慎之助監督は抗議したが、リクエストに対する抗議はルール違反のため退場を宣告された。

この判定は炎上し、巨人ファンのみならず、他球団ファンからも厳しい声が上がる。

巨人のキャッチャー・甲斐拓也は試合後「絶対タッチしてます」「自信あります」と断言し、スポーツ報知がタッチを裏付ける写真を掲載していたことも、判定への批判を強める要因となった。

「最近のプロ野球は誤審が多く、5月25日のソフトバンク×オリックス戦では、周東佑京の内野安打がアウト、リクエストも覆らず。
2日後の中日×ヤクルト戦でも、川越誠司の逆転ホームランが取り消され、意見書が提出される事態に。
しかし、制度上受理できないという杓子定規な対応で物議を醸しました」(野球評論家)

ここで改めて問い直すべきではなのは、本当にこうした誤審を“排除すべきバグ”としてだけ捉えていいのかという点だろう。

むしろ、この誤審騒動こそが、現代のプロ野球におけるエンターテインメントの一部として“審判劇場”化しているという見方もできる。