スタート・ザ・クロックス──Oasis再結成とロックが一周した時代

ギャラガー兄弟(オアシスのインスタグラムより)
再結成したOasisのツアーが、現地時間7月4日からスタートする。 

かつて兄弟喧嘩と共に「終わったはずのバンド」は、今、Z世代を含む新しいリスナー層の“再発見”によって再起動した。 

だが、これは単なる懐メロ需要ではない。むしろ、世界の音楽的時間軸が一周し、再び「ロックの場所」に到達したことを示している。 

ロックは何度も死んで、生き返ってきた 

そもそもロックンロール/ロックは、常に「死んだ/終わった」と言われながらも、何度も甦ってきたジャンルである。 

1960年代はビートルズがロックンロールをポップの磁場に引き戻し、1970年代にセックス・ピストルズが、退屈になったロックを再定義。1990年代にニルヴァーナが、カウンターカルチャーとしてのロックを再生させ、2000年代にストロークス、リバティーンズ、ホワイト・ストライプスらがロックンロール・リバイバルを起こした。 

このように、ロックとは「時代とズレること」によって再生を繰り返すゾンビのようなジャンルだった。むしろ「死にかけてること」が、その生の条件だった。