「ホソミの国」とは何なのか? 元横浜ベイスターズ“ドラ1”細見和史が考える日本の伝統と哲学

細見和史 (C)週刊実話Web
村瀬秀信氏による人気連載「死ぬ前までにやっておくべきこと」、今回は細見和史氏のインタビュー(下)をお届けする。同氏は横浜ベイスターズにドラフト1位で入団し、2004年に引退。民間企業に再就職し、人材育成、健康サロン事業などを手掛ける会社を設立している。7月20日に第3回よこはま 匠 フェスティバルでトークショーを開催予定の細見氏が掲げる「ホソミの国を作る」とは一体どういうことなのだろうか。

壮大な「ホソミの国」の理念

さて、ホソミの国である。

その企みは、まさか独立国家を建てるクーデターでも起こすつもりなのか、それともユートピアの比喩? 

まさか横浜に野球アミューズメント施設でも作るつもりなのかは知らないが、2019年に独立した細見は、現在、その礎となるべき勉強を進めているという。

「ホソミの国。まだ具体的にうまく言えないのですが、それは、大枠で言えば“誰もが共に生きる場所”の構築なんです。大人も子どもも、世界のあらゆる人たちもそうですね。
相手のバックボーンを尊重し、自分自身を認められる場所。そのためには、現代の日本人は、子どもも大人も、自分たちが何者であり、どういう歴史を持った国で生まれたのかということを知らない人があまりにも多いと感じます。
日本にはこの国の人たちがつないできた知るべき文化や技術、歴史がたくさんあります。最も大切な心の部分もそうですね。
それらを次の世代へしっかりと受け継いでいくこと。僕自身、選手時代は自分のことしか考えていなかったし、そんなことを考えるようになるとは思ってもいませんでしたよ。
でも、実際に野球が自分の生活からなくなり、ただ生きるためだけに仕事をこなしていた時代に、『自分が死ぬまでに何ができるのか』、そして『何をするべきか』を考えたとき、やらなきゃいけない使命…と言ったらおこがましいですが、受け継いでいくことなんだと思うようになったんですね」

怒涛のように国家の全容が見えてきた。細見が“死ぬ前にやっておくべきこと”。それは自分のバックボーンである、この国が大事にしてきたこと、その心であり精神性を受け継ぐこと。

ホソミの国とは、自己の肯定であり、他者の容認。自分が自分であることを肯定し、誇りに思える場所を作ること…なのか?