旧ジャニーズ性加害問題 元Jr.男性が訴える「証拠があっても救われない」現実

「被害者には迅速に寄り添って」との矛盾

裁判の争点になっているのが、在籍証明や証拠といった点だろう。 

鈴木氏はオーディションの通知や自分が映っているテレビ番組のビデオや雑誌などを資料として用意した。

しかしSMILE-UP.側は答弁書でビデオについて「映像は社内に保管されていたもので確認済み」と主張したという。 

鈴木氏は「その映像は30年以上前に一度だけ放送された非常にマイナーな番組であり、本当に保管されていたのか、強く疑問を抱いている」とした。 

そのため「双方の映像を法廷で再生し、裁判官の前で照合させてください」と申し出たが、SMILE-UP.側は拒否。なぜ拒否するのかの理由までは明かされず、ますます疑念が深まったという。 

この点について鈴木氏は裁判後の話し合いの場で、相手側弁護士に質問したようだ。

鈴木氏「そのビデオテープを確認した上で私を対象外にしたと答弁書に書かれてましたが、本当に対象外にする前にビデオを見たのですか? ビデオを見たのは提訴されてから、つまり最近になってからじゃないですか?」

弁護士「見ました。本当に対象外の連絡よりも前に見ました」

鈴木氏「私がビデオテープを持ってると言ってるんだから、私に直接提出を求めた方が明らかに早いのに、わざわざ会社の倉庫などから、あるかどうかも分からない30年以上も前の映像を発掘するという、遠回りで面倒な作業をするのはおかしくないですか?」

弁護士「私たちは、他の皆さんに対しても、自分たちの手元に資料が無いか探したりしてます。だから時間がかかるんですよ」

以下は、鈴木氏の言葉だ。

「ビデオテープを双方が持ち寄って、本当に同じ映像なのかのすり合わせ作業をなぜ彼らが拒否したのか、甚だ疑問です。
そもそも映像を持ってない、見ていないという疑いが生まれてしまうことももちろんですが、私が2023年11月から『ビデオテープを持ってるので調べて下さい』とメールで訴えているのに、なぜ私に提出を求めず、あるか分からない30年以上も前の映像をわざわざ発掘するという面倒で遠回りな作業をしたのでしょうか。
『被害者には迅速に寄り添って』と主張しているのなら、私に直接ビデオテープの提出を求めた方が早いし、『果たして同じ映像かが分からない』という疑念点も発生しません」