夏井いつき先生『プレバト!!』11年の歴史を回顧「ジュニアさんに『真面目な視点が素晴らしい』と言うとイヤな顔されます(笑)」

負の感情は「俳句にしてちぎって捨てとけばいいんですよ」

夏井いつき (C)週刊実話Web
──早くも一句できましたね!
夏井「ちょっと引きずっているんなら、こういうのはどうでしょう。『いま俺はギャラで揉めてて梅雨寒し』」

──深刻になりましたね。まだジトジトしてる感じも出ている気がします。
夏井「選んだ季語が感情の加減を代弁してくれてるんです」

──なんだかカウンセリングみたいですね。
夏井「俳句を作ってるうちに、自分のことを客観的に見ることができるようになります。
自分の中だけで腹を立てているのは、ひたすら憎悪を増幅するだけですから、そのまま負の感情を溜めていたら腐っていくだけなんです。
それを外に出していくうちに、負の感情のドロドロした部分もちょっとずつ外に出ていくでしょう。
それをしなかったら、負の感情がどんどんせり上がってくるんですよ。
自分の息ができないくらい上がってきたら、堪らなくなって相手に投げてしまう。そんなことになる前に、俳句にしてちぎって捨てとけばいいんですよ」

──読者の皆さんに、悪態俳句を募集してみましょうか?
夏井「社会の幸せのために悪態俳句を作りましょうと、ぜひ呼びかけてください。すごい才能が埋もれてるかもしれませんよ」 

「週刊実話」6月19日号より 

企画・撮影=丸山剛史/取材・文=左文字右京 

夏井いつき (C)週刊実話Web

夏井なつき

1957年、愛媛県生まれ。中学校国語科教諭を経て俳人に転身。2013年からテレビ番組『プレバト!!』に出演し、著名人への遠慮のない添削で人気を博す。テレビ、ラジオ出演のほか、「句会ライブ」の主催や、「俳句甲子園」の運営に携わるなど幅広く活躍中。