NGT48新曲『希望列車』初日3.6万枚 ポスト坂道時代に地方アイドルは何を象徴するのか

2017年のNGT48 (C)週刊実話Web
6月4日にNGT48の新曲『希望列車』がリリースされた。

タイトルが示すのは出発と希望のメタファーだが、初日売上3.6万枚、オリコン3位という成績は、その列車が行き場を失い、終点に向かって走り始めていることを暗示している。 NGT48は、AKB48の「地方拡張プロジェクト」の一環として2015年に新潟で発足したグループだが、その存在は「戦後的共同体」の再演と言える。 

かつて日本が信じていた「地域」「地元」「ふるさと」といったキーワードのもと、ローカルとナショナルが連結された「擬似家族的共同体」を再構築しようとした文化装置だった。 

しかし、2019年のメンバー暴行騒動以降、信頼の再構築には至らず、ファンダムの骨格が再生されないまま現在に至る。 

その後、乃木坂46、欅坂46(現・櫻坂46)、日向坂46の坂道シリーズ、第3世代以降のK-POPが頭角を現し、AKB48を含む48グループの話題は、広く多くの人へ届く機会は少なくなった。 

そもそも48Gと坂道シリーズは、同じシステムで構成されているように見えるが、構造は異なる対称的な存在である。