すべては映画好きのために――“名画座界のマザーテレサ”のむみちの情念は著名人の魂も叩いた
2025.06.01
エンタメ
「人生のオールタイムベスト映画がやっと決まりました」
来年でかんぺを出して15年。のむみちも50歳を迎える。彼女にとって「死ぬまでにやっておくべきこと」はなんであるのか。
「うーん…なんだろな。私の場合、やり残したことをやるというよりも、今の『かんぺ』を出し続けることなのかな。名画座も、今はお客さんが入っているけれど、やっぱり高齢化が進んでいます。
私もこの先、身体がどうなるか分からない。目か、腰か…つまり名画座が倒れるのが先か、私が倒れるのが先かの勝負ですよ(笑)」
それは死ぬまでかんぺを作り続けるという宣言のようにも聞こえた。
映画ファンをつなぐ道しるべ『名画座かんぺ』は、情報誌でも、カレンダーでも、チラシでもない。
心のこもった小さな羅針盤。今日ものむみちは、誰かのために極小文字を刻み続ける。映画好きの誰かが、何を見るのか、道に迷わぬように。
(完…)
…取材が終わった数日後、のむみちからメッセージが送られてきた。
「…あ、終わった後にすみません。私の人生のオールタイムベスト映画がやっと決まりました。『この広い空のどこかに』(1954年・松竹・監督小林正樹)です。
そもそも私は昭和20〜30年代の小市民・庶民ものに弱いのですが、この作品は、悪人が1人も出て来ないんです。そこがすごい。
さらに出演者が全員、良い。なかでも私の一番好きな俳優である大木実は、これまで見た中で一番好きな役です。『善人』とはこういう人のことを言うのだろう、というくらいの、それはそれは見ていて心洗われる役。大好き! あと、息子役の石濱朗の純真無垢っぷりも国宝級です」
実にこのインタビューを締めくくるに相応しい、のむみちらしい選出だった。
(完)
取材・文/村瀬秀信
「週刊実話」6月12日号より
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