北朝鮮兵「ウクライナ本土進軍」目前! 砲弾生産4倍増、ロシアへの軍需物資輸出が拡大中

トランプ政権からも“秋波”が…

北朝鮮にとって、トランプ米大統領から秋波を送られていることも追い風だ。

「トランプ氏はウクライナ戦争や中東問題で解決の糸口を失った今、2026年11月の中間選挙までに大きな外交的成果を挙げ、得点を稼がなければなりません。
それが対北朝鮮外交で、対話メッセージが断続的に発信されているのはそのためです。北朝鮮としても『反米的な朝中ロ連携』を強く打ち出すことは得策ではなかったのです」(北朝鮮ウォッチャー)

このタイミングで朝ロ両国は、初めてウクライナ派兵を認め、互いに戦勲を称え合った。

ロシアのゲラシモフ参謀総長は「朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士は、ウクライナ軍からクルスク地域を解放してくれた」と称賛し、正恩氏も「血の同盟国であるロシア軍と共に戦い、ウクライナのネオナチを殲滅し、クルスク地域を解放するように命令した」と朝鮮中央通信を通じて公表した。

また、ウクライナへの派兵を「国連憲章と国際法に完全に準拠している」として、今回の派兵は「モスクワとの包括的戦略パートナーシップ協定の忠実な履行のモデルである」とその正当性を強調している。

「正恩氏には、朝鮮半島有事の際はバックにロシアがいるぞ、という牽制的な意味合いがある。昨年11月中旬に投入された1万2000人の兵は、わずか2カ月間で、死傷者4000~5000人(死傷者率35~45%)を出す惨敗を喫している。
この数字は軍事的には全滅に近い。その後、戦闘参加から約半年経った現在、死傷者は9000人に達したという情報もあります。これだけの死傷者を出すと、さすがに国内の不満を抑えることは容易ではない。
そこで正恩氏は、ロシアに派遣された北朝鮮軍兵士を英雄、彼らの犠牲は祖国で永久に称えられ、巨大な英霊碑を建立することを国民に向かって発表したのです」(同)