“プロ野球考古学者”キタトシオに初インタビュー「縁が重なって『週刊ベースボール』で連載させてもらうことになっただけなんです」

「高校の時に友達と『野郎時代』という同人誌を作りましてね」

1991年。少年キタトシオは川崎の星・ロッテオリオンズのファンとなる。

しかし、男が何かを好きになる理由なんて、好きになってしまった後はどうでもいいのだろう。

ロッテは翌年、千葉に移転。マリーンズとなり、キタが好きだったユニホームはまさかのショッキングピンクとなり、ロッテという混沌世界へ足を踏み入れたことを知った。

だがそこで宗旨替えをすることもなく、その後も古畳の因縁カカアのように人生に絡みつく伴侶となった。

「書くほうでは、もともと読むのも書くのも好きだったんですけど、高校の文化祭ですかね。友達何人かで『野郎時代』という同人誌を作りましてね。まぁ、高校生が作りがちな評論やコラムなんですけど、そこで山際淳司風のノンフィクションを妄想で書いたんですよね。

『肩を壊して一度は消えた甲子園優勝投手が復活して落合博満に挑むーー』、みたいなね。いや、恥ずかしい。今じゃ絶対に見せられないですけどね」

それでも人生なんて、どこで何が繋がるかなんて分からない。

その同人誌を一緒に作っていた友達がその後ライターとなり、キタトシオがデビューするきっかけを作るのである。

(中編に続く)

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」5月1日号より