南海トラフ地震は「超巨大かもしれない」富士山が刺激されて噴火する最悪シナリオ

300余年の眠りから覚め、富士山が活動再開

先ごろ火山や防災の専門家が集って検討会を開いたが、これとは別に政府の火山調査研究推進本部(火山本部)は、噴火直後に噴石や火山灰を集めて成分を調べる「火山噴出物分析センター」(仮称)を設置する方針を固めた。

それにより噴火の種類や推移を予測する。危険度を示す「噴火警戒レベル」を運用している気象庁に分析結果を提供することで、住民の避難対策に活かす狙いもあるという。

火山本部は火山の観測や研究の司令塔のような存在である。

「火山本部は昨年4月に発足した。これまでは大学の研究室などが噴出物を分析してきたが慢性的な人員不足で時間がかかった。同センターは国立研究開発法人の防災科学技術研究所に設置される見通しです」(前出・サイエンスライター)

300年余りの眠りを経て、富士山が活動を再開しようとしている。といっても、現段階では噴火の兆候はまったく見えない。“本当に噴火するのか?”と報道を疑問視する声さえある。

「降灰警報をどうするかといった最先端の話より、降り積もった火山灰をどうするか、といった除去の話が深刻です。最終的に除去した火山灰は埋め立て処理したり、海洋投棄されます。大噴火すれば一時的な保管場所として東京ドーム280個分が必要との見方もある。東京の近隣県の公園やグラウンドなど広いスペースが必要となるはずなのに、その空間がまったく不足しているんです」(同)

何とも心もとないが、こうした光景が現実化しないことを祈るばかりだ。

「週刊実話」4月24日号より一部内容を変更