南海トラフ地震は「超巨大かもしれない」富士山が刺激されて噴火する最悪シナリオ

「富士山の火山灰によって、東京は大変なことになるはず」

ところで静岡県内には、阪神淡路大震災の発生前より切迫度が高くなっている富士川河口断層帯が存在する。

もしこの活断層が南海トラフ地震の際に動いたら、どうなるのか。

「富士川河口断層帯は1854年の安政東海地震の際に一緒に動いた可能性が考えられる。つまり、南海トラフ地震が発生し、東海地震が起こると、富士川河口断層帯も一緒に動く可能性があるということ」(前出・サイエンスライター)

とすれば、予想される次なる南海トラフ地震は、東海地震がまず南海トラフの北半分を襲い、富士川河口断層が連動して揺れる。

さらに、同時または時間差で東南海地震、南海地震が発生する一方、南海トラフ地震に刺激された富士山も、やがて活動を開始する…。

身震いするほど恐ろしい内容だが、果たして実際にそうなるのだろうか。

「南海トラフ地震によって、西日本の街は目茶苦茶になるでしょう。そして、富士山が活動を開始するのも、かなりの確率であるのではないでしょうか。富士山の火山灰によって、東京は大変なことになるはずです」(前出・島村氏)

富士山で宝永噴火のような大規模噴火が発生すると東京、神奈川も広範囲にわたり数センチから10センチの降灰に見舞われる恐れがある。

「防災をめぐる新しい動きでは、気象庁が富士山などの大規模噴火の際、火山灰の降灰量に応じた避難行動の指針を示しました。仮称ですが降灰量の累積が3センチ以上と予想される場合に火山灰警報を、0.1ミリ以上で火山灰注意報を発表する。火山灰の量は30センチ以上、3センチ以上、0.1ミリ以上、0.1ミリ未満に区分けして発表する。水分を含んだ30センチ以上の火山灰で木造家屋は倒壊し、命の危険があることから原則避難を求めるとしています」(防災ライター・渡辺実氏)