1970年の「田淵幸一血みどろ頭部死球」一部始終 阪神ベンチ裏事件簿の取材メモを初公開
新聞には「田淵再起不能」の大見出しが…
狙われる側もある程度は予測しており、報復死球や乱闘騒ぎも野球の一部としてファンに認知されていた時代である。
だが、この日は乱闘になるどころか球場全体が静まり返った。
倒れ込んだ田淵の耳からは真っ赤な血がダラダラと流れ、球場全体がザワめく中でベンチを飛び出して駆け寄った監督の村山実は田淵の様子をひと目見て「ダメだっ!」と絶句した。
意識を失ったまま担架で運び出される田淵の頭部にあてがわれた3枚のタオルは血でドス黒く染まった。目の前で起きた出来事はあまりに衝撃的すぎた。
田淵は救急車で兵庫県西宮市の明和病院に運び込まれ、筆者も病院に駆け付けた。記者としてではなく友人として、である。
田淵はまだ意識不明でそのまま病室で一晩を明かした。
田淵は夜になって意識を取り戻したが、強烈な吐き気を訴えており、まだ安心できる状態ではなかった。頭部への死球は時に生命にかかわることもあり、吐き気は危険信号だ。
翌朝、東京から田淵の父親が病院に駆け付けて来る前の明け方近く、筆者は会社に何の連絡もしていなかったことを思い出し、上司のK部長に電話を入れた。
「連絡できずすいません。実は今、田淵の病室にいます。昨夜、なんとか意識は戻ったんですがまだ吐き気があって…とにかくもうしばらく病院にいますので」
新人記者だった筆者はとっくに締め切り時間は過ぎていると思い込んでおり、単なる所在報告のつもりだった。
ところが、夕刊紙の大阪日日新聞の締め切りにはギリギリ間に合うタイミングだったため、その日の大阪日日には「田淵再起不能」の大見出しが躍ることになってしまった。
他紙から見ればスクープだったかもしれないが、筆者はそれどころではなかった。
もちろん、田淵の体調を心配していたが、正直に言えば自分の将来の不安もよぎっていた。
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