竹下登は「気配りで天下を取った唯一の男」田中角栄と双璧をなす“座持ちのうまさ”を元関係者たちが証言
2025.04.13
「竹下ほど気配りにエネルギーを費やした人物を知らない」
東京・永田町の首相官邸正門前の坂を150メートルほど下がったところに「TBR」というビルがあった。
国会議事堂も目の前ということから、このビルには政治家の個人事務所がいくつか入っていた。
立憲民主党の小沢一郎、元自民党幹事長の加藤紘一等々で、竹下登もまたそこの“住人”であった。
筆者はそうした議員へのインタビューなどで、昭和40年代から50年代にかけて何度もそのビルに通っていた思い出があるが、忘れられないのは1階でエレベーターを待っているときに扉が開くと、竹下が胸の前で合掌するような仕草で出てくることだった。
エレベーターの前で待っているビルの訪問客に、その格好で遠慮がちに軽く会釈をするのが常で、筆者もそうした場面を何度か目撃している。
そして、目撃者の多くはこの低姿勢ぶりに「田中角栄元首相の反発を買いながら創政会を立ち上げ、天下取りに執着する、あの竹下さんなのか」と、ある種の違和感を覚えるのだった。
「天下を取ろうという人物なら、もっとバイタリティーを感じさせるものではないのか」との“差異”に、驚いてしまうのだ。
ここで筆者が言いたいのは、竹下が徹底して周囲に気配り、目配りをし、反発を買うこと、敵をつくることを極力避けていたことである。
これまで筆者は、のべ何百人の国会議員に会ったか分からないが、竹下ほど気配りにエネルギーを費やした人物を知らない。
戦後の歴代総理のなかで、「気配りで天下を取った唯一の男」が、この竹下登という人物なのである。
例えば、その気配りぶりは、公私を問わず尋常ではなかった。
次のような証言がある。
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