ロシア・ウクライナ“停戦”で朝鮮半島有事の危険度が増幅! 急速に高まりだした北朝鮮vs韓国衝突のXデー

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ロシアによるウクライナ侵略戦争に終わりが見え始めた。

3月18日にトランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領と電話会談。プーチン氏は「30日間の停戦」には応じなかったが、ロシア軍がウクライナ南部で占拠する、ザポリージャ原子力発電所を含むエネルギーインフラへの攻撃を30日間停止することには合意した。

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即時停戦の芽はなくなったが、両首脳は「完全な停戦と永続的和平」および「黒海における海上停戦」に向けて交渉を始めることで一致しており、近い将来、和平が訪れる可能性も少なくない。

だが、停戦合意の先に何があるのか?

一部では「この停戦が朝鮮半島危機を高めることにつながりかねない」とする恐ろしい観測も高まっているのである──。

ロシアは「北朝鮮兵の犠牲」を織り込み済み

ウクライナ戦線では、昨年夏にウクライナ軍が占領したロシア領クルスク州の3分の2をロシア軍がドローンと朝鮮人民軍(北朝鮮軍)を前面に出して奪還するという異変が起きた。

3月8日のニューヨークタイムズは「これはキーウ(ウクライナの首都)にとって相当な脅威になる」とし、「トランプ大統領が協議を進める現在、ロシアによるクルスク奪還で、ウクライナの立場が悪化する可能性がある」と分析した。

クルスク州で、北朝鮮兵が越境してきたウクライナ軍に攻撃を開始したのは、2024年11月中旬のことだった。

投入された北朝鮮兵は1万2000人。それからわずか約2カ月で、4000人(戦死者400人、負傷者3600人。そのうち300人が前線復帰)の死傷者を出した。

だが、ロシアにとって北朝鮮軍の犠牲者数は織り込み済みだったという。

「ロシア軍は、歩兵戦を実行するようになってから戦線全体で毎日約1000~1500人の損失を出していましたから、北朝鮮兵の戦闘参加2カ月間で、4000人の損失というのは、ロシアからしてみれば計算済みのことだったでしょうし、むしろ損失は少ないほうです」(軍事ライター)