ロシア・ウクライナ“停戦”で朝鮮半島有事の危険度が増幅! 急速に高まりだした北朝鮮vs韓国衝突のXデー



北朝鮮兵士の値段が高騰

3月7日付の日経新聞電子版は、クルスク州の激戦地で、北朝鮮兵と戦うウクライナ軍の突撃旅団小隊長が取材に応じた内容を報じている。

同小隊長の証言は、「北朝鮮兵は恐れを知らない狂信的な集団だ」、「100人弱の歩兵は近くに砲弾が落ちても攻撃の速度を落とさず、死ぬまで止まらない」、「体力、精神力、射撃力で極めて高い訓練を受けている。コンピュータゲームの中の(人格がない)敵のようだった」と不気味な北朝鮮兵への恐怖心を吐露している。

「北朝鮮軍は、みじめな失敗を成功の基にしました。今年1月にいったん撤収したが、2月初めに犠牲者数に匹敵する援軍3500人を加えて再編成され、さらによく訓練されたロシアのドローン部隊も新たに投入されています。両軍は合同作戦を展開して、ウクライナ軍が守ろうとした阻止ラインを次々に崩したのです」(外交関係者)

ウクライナが手にしつつあったクルスク州という「和平への交渉カード」が、再編成された北朝鮮軍によってもろくも崩れようとしているのだ。

その結果、「北朝鮮派兵兵士の値段」が高騰しているという。

「ロシアは北朝鮮兵1人あたり3万ドル(約450万円)を支給していますが、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と和平で合意するムードが出てきた3月に入ると、3500人が新たに派兵されましたから計1万5500人分、ざっと700億円が金正恩総書記の懐に入った計算になります。韓国では『増兵分は倍額になっている可能性がある』との見方まで出ていますから、正恩氏は喉から手が出るほど欲しかったドルを手にして笑いが止まらないでしょう」(同)

翻って、中国の軍備拡大とその同盟国である北朝鮮の核開発などによって、日本や韓国の安全保障環境は風雲急を告げている。

「北朝鮮のウクライナ戦争への派兵は、実戦経験の蓄積という実利はありますが、実態は傭兵の提供ですから、それ自体は日韓への直接的な脅威とは思えません。ただ、派兵の見返りとしてロシアが北朝鮮に核・ミサイルなどの軍事技術や資源の支援を行うとなると話は別。北朝鮮軍の近代化につながり、その結果として脅威が高まることになります」(北朝鮮ウオッチャー)