「朝鮮出兵という馬鹿なことをやっていなかったら、豊臣政権は短命に終わらなかった」“終活”に学ぶ人生流儀 加来耕三が語る偉人たちの覚悟

テレビ、ラジオでもおなじみの歴史家で作家の加来耕三氏が、新刊『日本史 至極の終活』(日本ジャーナル出版)を刊行した。本書では偉人たちの最期を〈大往生〉〈悲壮〉〈意外〉〈悔恨〉〈応報〉という5つのテーマに分け、波乱に満ちた彼らの生涯と晩節、そして臨終について詳説している。
偉人たちは、どのような心持ちで死を迎えたのか。また、歴史学の観点から見て、現代に生きるわれわれが学ぶべきポイントは何なのか。加来氏に話を聞いた。(全3回の2回目)
【関連記事】「織田信長は本当に日本人らしくない」最期の言葉“是非に及ばず”に込められた覚悟を加来耕三が語る
豊臣秀吉は「目先のことにのみ追われている」
前回では織田信長について、思いを定めて生きた人物、つまり「覚悟」を持っていた、と述べましたが、今回はその逆です。思いを定めないで膨張してしまった場合、これはもう、臨終に際して人生に悔いしか残りません。
このケースには、豊臣秀吉が当てはまります。
秀吉の場合は「覚悟」が足りないというか、何も先々を考えていないのです。これは現代人にも多いと思うのですが、要するに目先のことにのみ追われている。
信長に出会って、裏方をやれと言われて仕事に邁進し、倹約をして評価を得た。
今度は表方にしてください、と言って武将になり、秀吉は中国方面軍の司令官にまでなる。常に上昇志向があって、出世欲があって、人生を前向きに生きているように見えます。
少し前の時代になりますが、高度経済成長期には秀吉に憧れる日本人が多かった。己の才覚と腕ひとつで成功していくという、そんな人が大勢いましたから、NHK大河ドラマでも緒形拳主演の『太閤記』が大ヒットしました。
時代によって好かれる人物は違うのですね。
しかし、秀吉の欠点は何かと言うと、人生全体を見ていない。半歩か1歩先ぐらいまでは見ていますけれど、さらに先を見ていないのです。
秀吉は時勢にも恵まれ、どんどん出世していく。
信長が死んでくれたおかげで、パーッと運命が開けた。その勢いで天下を統一するまではよかったのだけれど、その後はどうしていいか分からない。だから、晩年は混乱しています。
西郷隆盛なども、このケースに当てはまります。
西郷には島津斉彬という殿様がいて、その青写真通りに動いていた。江戸無血開城までは、すでに殿様が考えていたプランがあるのです。ところが、倒幕を果たして実際に明治政府ができてしまうと、もうその先をどうしていいのか分からない。
歴史上の偉人や英雄だけでなく、これは現代の社長さんたちにも、悪く言えば“晩節”を汚すような事例は多く見られます。
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