“令和の黒い霧事件”オンラインカジノでプロ野球が開幕危機 関与選手が芋づる式に拡大か

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“令和の黒い霧事件”に発展か!? 開幕を前に、警視庁がプロ野球界に蔓延するオンラインカジノの捜査に本腰を入れている。本丸は野球博打につながるスポーツベッティング。国内の決済代行業者の摘発で、関与選手が芋づる式に拡大する可能性が高まった。

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実際は2球団で84人規模!?

日本野球機構(NPB)は2月27日、全12球団への日本国内では違法にあたる「オンラインカジノ」の利用調査結果を公表。しかし、NPBには捜査権がないため、「選手、監督らが利用したことがあれば、自ら申告してほしい」と“へっぴリ腰”のスタンスで、自ら関与を申告したのは「7球団14人」(NPBの。球団名も選手の実名も明かさず、匿名のまま幕引きを図っている。

全国紙のオンラインカジノ取材班記者が、頭を振ってこう語る。

「利用したプロ野球選手は各球団とも、支配下選手(各球団70人)の1割程度いるという情報が伝わっている。12球団で84人規模。そう考えると、今回申し出たのは6分の1。噂される選手の中には、巨人の若手有望株や巨人以外の侍ジャパン選手もおり、捜査当局は炙り出しを急いでいる。予断を許さない状況」

自ら関与を申し出れば、情状酌量の余地もあっただろうが、呼び出しを食らった後では厳しく追及される。今回の調査で各球団が一様に口をつぐんでいるのは、そのためだ。

オンラインカジノは、スマートフォンやパソコンから海外のカジノサイトにアクセス。バカラやルーレット、国内外のスポーツの勝敗予想などで獲得したポイントを換金する「違法ギャンブル」だ。

日本向けのカジノサイト(日本語仕様)は、コロナ禍前は20サイト程度だったが、現在は150サイト超に拡大。昨年、大リーグ大谷翔平の通訳を務めていた水原一平被告(40)がスポーツ賭博にのめり込み、大谷の預金口座から約26億円をだまし取った事件で広く知れ渡ったが、日本人の利用者は約340万人に上るという。

しかし、運営会社は海外にあり、これまで日本の捜査が及ばなかった。そこで警視庁は一昨年、日本国内の決済代行業者を摘発。これを突破口に日本全国の利用者捜査に乗り出した。