“令和の黒い霧事件”オンラインカジノでプロ野球が開幕危機 関与選手が芋づる式に拡大か

オリックス山岡が狙われた裏事情

「オンラインカジノは銀行口座やクレジットカード、または暗号通貨を紐づけてアカウントを作る必要があり、投票履歴が必ず残る。警視庁は決済代行業者を摘発した際、これらのデータを入手しており、いくら選手が否定しても、証言をひっくり返すことができる。各球団首脳が戦々恐々となるのは当然です」(同)

そうした事情から警視庁が検挙に向けて真っ先に目をつけたのが、ギャンブル好きが多く、影響力のあるスポーツ選手と芸能人だ。オンラインカジノにはプロ野球を対象とした賭けもあり、八百長抑止の狙いも透けて見える。

まず、捜査の網にかかったのが、東京五輪の卓球男子団体で銅メダルを獲得した丹羽孝希(30)。千葉県警が1月下旬に「賭博罪」で書類送検したが、卓球が賭けの対象になっていなかったこともあり、罰金10万円の略式命令にとどまった。

次に火が付いたのが芸能人。お笑いコンビ『令和ロマン』の髙比良くるま(30)と『とろサーモン』の久保田かずのぶ(45)が2月14日以降、警視庁による取り調べを受けている。髙比良は利用していた事実を認めて謝罪。久保田は関与を否定している。

さらに球界にも飛び火し、3日後の17日にオリックスの山岡泰輔(29、2016年ドラフト1位)が、違法オンラインカジノを利用していたことが発覚。球団は21日にキャンプ地の宮崎から帰阪させ、球団弁護士も関わって警察で事情聴取を受けさせている。

「阪神ではなく、オリックスの選手がターゲットとなったのは、大阪・関西万博跡地で2030年に開業予定の夢洲カジノの事業者にオリックスがアメリカの『MGM』と共に決まっているからでしょう。髙比良と久保田が所属する吉本興業では芸人を中心に社員も含め、50人ほどが捜査対象になっており、そこからリークされたという情報もある。球界への捜査はさらに進み、今では福岡県警がソフトバンク関係者を任意で聴取しているとの報道もあるほどです」(在阪球団OBの解説者)