虐待、言葉の暴力、水増し不正請求が蔓延る障害者施設の闇…営利法人多数参入で不正・囲い込みが増殖か



交番に駆け込んだ者も狡猾に連れ戻され

織田氏がいた生活介護事業所も書類改ざんによる水増し請求が日常的に行われ、利用者の“固定資産化”が進行していたという。

「何人かの利用者が他の施設に移りたいと訴えていましたが、会社側はまったく無視。『じゃ、勝手に出て行けば?』と、冷たく切り返された利用者もいました。特に肉親がいない利用者、いたとしても没交渉の利用者などは、いくら訴えても“固定資産”扱いです。ある利用者は行楽行事の帰りに、『助けてください! 虐待されています!』と交番に駆け込みましたが、社員の狡猾な弁明で、結局は保護されませんでした」

「当事者主権」を謳う障害者施策の世界的な潮流もあり、最近では障害当事者の自己選択・自己決定を尊重する施設が、少数ながら登場してきたのは事実である。

しかし、一部とはいえ、障害者を抑圧し、それによって営利を貪る施設が存続していること自体、日本の障害福祉の貧困ぶりを物語っているだろう。

最後に織田氏が言った。

「知的障害者と我々に多少なりとも違いがあるとすれば、彼らが自己主張を苦手としていること。さらに、狡猾さに欠けていることぐらいでしょう。そういう特性を利用して、上から目線で彼らを意のままに操る。地域移行と言いながらも、多くの障害者が軟禁生活を強いられていることに変わりはなく、そういう父権的な支援に対して、日本は国連から注意勧告を受けています」

障害福祉支援で日本はまだまだ後進国だ。

「週刊実話」2月20日号より