トランプ2.0に冷や水を浴びせた中国発生成AI「DeepSeek」天安門事件、台湾問題…微妙な質問には「申し訳ありません」



「申し訳ありません」では済まされない懸念

さらに、中国本土では大声で言えない「政治的に微妙な質問」に対するDeepSeekの回答が制限されている点も問題視されている。

例えば、以下のような質問には、DeepSeekは明確に回答せず、定型文を表示する。

「ウイグルの人権問題についてどう思う?」

「台湾は独立国家なの?」

「1989年の天安門事件とは?」

「くまのプーさんって、習近平主席に似てる?」

DeepSeekは、これらの質問に対し、「申し訳ありませんが、その質問には対応できません」「他の話題について話しましょう」と答え、明確な見解を示さない。

しかし、ユーザーが質問の仕方を変えると、一瞬だけ「まともな回答」が表示されてしまう。

また、DeepSeekはオープンソースであるため、プログラムを改良すれば、こうした制限を解除できる可能性も指摘されている。

DeepSeekは、「AGI(汎用人工知能)の実現」という大きな目標を掲げているが、「くまのプーさんの逆鱗に触れる」のは時間の問題かもしれない。

はたして、中国の技術産業の英雄・梁文峰氏は、次にどんな手を打つのだろうか。

取材・文/ROADSIDERS 路遍社