「君よ、ナポリタンを喰わずに死ぬなかれ!」ナポリタン学会の会長に就任した男の破天荒な啓蒙&普及活動

『日本ナポリタン学会』田中健介会長(C)週刊実話Web
突き抜けた男たちの魂の叫びをお届けする、「死ぬ前までにやっておくべきこと」。今回は2009年、神奈川県横浜市に結成された『日本ナポリタン学会』の会長をインタビュー。誰もが懐かしさを感じるナポリタンという料理の奥深さと同学会が取り組む啓蒙&普及活動の全容を聞き出した。

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最後はナポリタンなんだと思う。

その中には飴色のタマネギに緑のピーマン、麗しのベーコンだけじゃない。

昔の恋人と行った思い出の喫茶店、土曜授業で帰って食べた母の手抜きの昼メシにと、人はそこにさまざまな思いを乗っけてナポリタンという“ご馳走”を作り上げる。

ボンゴレやカルボナーラじゃない、虚飾も見栄も捨てた最後の最後、私たちが欲しいものはナポリタン。

「いいですね。そうなんですよ。ナポリタンとは、美味しいだけでなく、その歴史やバックボーンにも多くの魅力が潜んでいるのです。我々日本ナポリタン学会は、日本におけるナポリタンという孤高の食文化を改めて評価し、未来へつないでいこうという有志の団体です。戦後の焼け跡の中から日本の発展とともに全国に広がっていったナポリタン。その発信地となった横浜の地を中心に、開港150周年を迎えた2009年に横浜の有志市民によって結成されました。私はたまたま会長をやっていますが、なんてことはない、ただのナポリタン好きです」

横浜はJR関内駅前。老舗商業施設セルテ6Fのナポリタン学会認定店『スポーツカフェ ヤンキイス』でベイスターズ戦を見ながらナポリタンを啜りむせぶ男。日本ナポリタン学会、田中健介会長48歳。

コック帽にケチャップ色のエプロンが正装のカゴメとデルモンテの違いが分かる男。ナポリタンを愛し、ナポリタンを求め、1週間で最低5食はケチャップとブイヨンにまみれながら、世界に誇れる最高のナポリタンを探し続けている男である。