南海トラフ地震誘発の可能性も…日本を恐怖に貶める台湾発「兄弟地震」の恐怖



過去には関東大震災誘発も

日本時間の昨年4月3日、午前8時58分、台湾東部の花蓮県沖約25キロを震源とするM7.2(最大震度6強)の地震が発生した。

この地震で花蓮県では震度6強の揺れを観測したほか、北東部の宜蘭県などで震度5強、北部の台北市や新北市などでは震度5弱の揺れを観測したが、その後も現地ではM6.5の揺れを観測、地震が相次いだのである。

大地震の死者は18人に及び、ケガ人は1000人を超えた。

震源地に近い台湾東部の花蓮市中心部では1階部分が崩れ、ビルが60度傾くなど、揺れのすさまじさを示す痕跡が残されていたが、現地メディアによるとその後もしばらく余震が続き、300回以上も確認されたという。

前出のサイエンスライターがこう語る。

「この地震の後となる4月17日には豊後水道を震源とするM6.6の地震が起き、日本政府も南海トラフ地震の発生に対して警戒を強めたほど。また、1999年、台湾中部で発生した『台湾集集地震』(M7.3)では死者2400人を数えたが、今ではこの地震が起きた9月21日は国家防災の日になっているほどです。加えて、2018年2月にも台湾花蓮地震(M6.4、最大震度7)が起きているが、その約4カ月後に発生した大阪北部地震も注目に値するものだった。この大阪を襲った地震は南海トラフ地震の前段階に発生する直下型地震の一つとみられたからなのです」

極め付きは、100年も前に発生した巨大地震だ。

1920年6月5日、台湾花蓮県ではM8.2の巨大地震が発生したが、さらにその2年後にもM7.6の大地震が発生。この地震が日本にも飛び火し1923年9月1日には、死者10万人を超える関東大震災が起きているのだ。

「今、日本では南海トラフ地震がそう遠くない未来に発生するのではないかと騒がれています。四国や宮崎では震度6弱、5弱など強い地震が発生しています。南海トラフ地震は2030年代になるという見方もありますが、今すぐ発生したとしても不思議ではありませんね」(前出・島村氏)