北海道から沖縄まで回転寿司108店舗、うどん76店舗を行脚! 食の旅人がローカルチェーン本に込めた熱意と生きざま

BUBBLE-B氏(C)週刊実話Web
突き抜けた男たちの魂の叫びを届ける、「死ぬ前までにやっておくべきこと」。今回は、前回に続き日本全国のチェーン店の本店を訪ね歩くブログ『本店の旅』を主宰する人気ブロガーBUBBLE-B氏を直撃インタビュー。全国に点在する地域固有のチェーン店取材の醍醐味と過酷さを聞き出した。

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日本全国、その土地だけにある“当たり前の食”を求めてさすらう旅人「飲食店トラベラー」。

全国チェーン店の1号店を行脚して記録したブログ『本店の旅』が好評となりながらも、「全国展開のチェーンが意外と少ない」という事実に限界を感じたBUBBLE-Bは、『ローカルチェーン店』という新たな食の迷宮にして底無し沼へと沈んでいく。

2019年。BUBBLE-Bは会社を辞めた。43歳のときだった。

川崎の部屋を引き払い、地元の滋賀県へと帰ってきた。

安定が保証された人生を投げ打ってまで欲したものが、いつもどこでも安定した味を供給し続けるチェーン店の真髄だというのも、なんという因果だろうか。

「趣味の範囲でいえば、ブログはそこそこ評価されて、出版もできたし、メディアにも出演して、十分すぎるぐらいの成果は得たんです。ただ、50歳を目の前にして考えた。僕にはもう時間がない。あ、特に死ぬわけじゃないですけど、40歳を超えてきたあたりから味覚が変わってきた。油モノ、キツくないすか? あの大好きだった天一(天下一品)のスープが全部飲めないんですよ。焼肉の脂身の多いA5和牛とか、翌日にもたれるんです。これは残念すぎますよ。『牛丼特盛サイコーだ!』というあの気持ちはエバーグリーンです。だから味覚が完全にオッサンに堕ちてしまう前に、これまで感じてきた『美味い』という記憶をコンパイルし、あらゆるチェーン店を巡って、他の人が追随できないぐらいの圧倒的なアーカイブを作っておかなければならない。それはもう僕にとっての生涯事業ですよね。そのためには時間も融通が利いた方がいいに決まってるので、会社を辞める決断をしました」