北海道から沖縄まで回転寿司108店舗、うどん76店舗を行脚! 食の旅人がローカルチェーン本に込めた熱意と生きざま



2時間歩いて寿司3貫だけのときも

沖縄のそば
第1号のテーマは再び「回転寿司」。第2号は「うどん」に決め、同時進行での日本縦断。うっかり八兵衛も裸足で逃げ出す、前人未踏のチェーングルメ旅が幕を開けた。

「北海道から沖縄まで、日本全国にある回転寿司とうどんのチェーン店を訪ね、その店の推しを記していきました。ジャンル切りにしたことは、旅のガイド本として機能させるためです。そのためには、ボリュームが必要。これまでの1号店モノでやった、創業のストーリーなどマニアックな読み物的要素は少なめに、読んだ人が『こんな店があるんだ、行ってみたい』とチェーン店旅をしたくなるような内容を意識しました。それを“チェーン店ツーリズム”と名付けました。うどんは76店舗。回転寿司は前作を大幅に上回る108店舗を掲載。日本の回転寿司チェーン店の9割は網羅できたと自負しています。ただ、これをやると日本を2周するレベル。気が遠くなるほど大変でしたね」

多い日では1日4食。「頼んだ料理は残さない」という掟を自身に課しているため、食べる量には限界がある。

その中で何を頼み、何を頼まないのか、チェーン店トラベラーとしての目利きでメニューを厳選し、詳細なリサーチをした上で、コスパを考えながらうどんと寿司を効率よくスケジューリングする。

交通費を抑えるため、2時間歩いて寿司3貫だけのこともある。もはや苦行の域だ。

「旅をすることも食べることも好きなので、僕にとっては全然楽しいんですよ。ただ、やっぱり情報を形にして出すわけですからね。全部美味いんですけど、感想が『ウマい!』だけじゃ本にならない。回転寿司で108軒分。うどんなんて『つるつる』『シコシコ』ぐらいしか表現がない。その中で書き分けるには、データを詳細に取ることが必要。ゆっくり楽しむどころじゃなかったですよ(笑)」

(次号、後編に続く)

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」1月30日号より

BUBBLE-B(バブルビー)

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