【2025年の大予言】“マグマ300年分”の富士山噴火Xデーはいつ? 専門家は「100%噴火する」と断言するが…



買い占めと家屋倒壊で大混乱

想定される災害について、国の中央防災会議は具体的な数値を挙げている。

電力は降雨時0.3センチ以上の降灰で停電するとされ、数センチで火力発電所の発電量が低下し、停電する可能性があるという。

鉄道の場合、地下路線は停電エリアで運行停止となり、地上路線も微量の降灰で停止する。

道路は乾燥時10センチ以上、降雨時3センチ以上の降灰で、多くの車が走行不能になり、車道は通行できなくなる。

当然、配送が滞り、物資が入手困難となって、買い占めによる食品、日用品不足に陥ってしまう。

また、上下水道は水質悪化で飲めなくなり、停電エリアでは断水や使用制限の恐れがある。

家屋への影響は30センチ以上の降灰があると、降雨時に重さに耐えられず倒壊する木造家屋が出てくるという。

想像するだけで恐ろしいパニック状態の社会が待っているのだ。

では、近い未来に高い確率で起きるであろう富士山噴火に対し、被害を最小限にとどめるため、どのような備えをしておけばよいのだろうか。

気象庁は富士山の噴火警戒レベルを5段階に区分しており、このレベルに応じて正しい行動を取ることが、命を守ることにつながる。

新しい指針では、まず避難するのは観光客と登山客で、噴火の予兆があった時点で車や電車で帰宅、下山することになる。

噴火警戒レベルには新たに子供の避難対策も盛り込まれ、レベル3の段階で、避難対象になる地域内すべての学校や幼稚園などを休校にして、子供たちを保護者に引き渡すことになっている。

地元住民の避難は、特別警報(レベル4)が発令されてからとなり、まず高齢者や車いすが必要な人たちが車で移動。それ以外の人たちは、原則として徒歩で避難することになる。

これは溶岩流や火砕流などの速度が、勾配のゆるい市街地では人が歩く程度まで遅くなると想定されるからだ。

徒歩での避難は、東日本大震災で都内を中心に帰宅困難者が多数発生したことの教訓だろう。

前述の通り、車道は大渋滞に見舞われることがほぼ間違いないので、歩きを前提とした避難を覚悟しておいたほうが賢明だ。

ほかにも落下物から頭を守るヘルメット、火山灰から目を守るゴーグル、吸い込まないようにする粉じんマスクなどを用意して、“その日”に備えておかなければならない。