【2025年の大予言】“マグマ300年分”の富士山噴火Xデーはいつ? 専門家は「100%噴火する」と断言するが…



富士山は「噴火のデパート」

マグマをため込み、いつ噴火してもおかしくない富士山だが、再び噴火したら実際にどのような被害をもたらすのだろうか?

その規模から「噴火のデパート」と形容されるほど恐ろしい現象が同時発生し、大きな被害をもたらすことが想定されている。

噴火すると、火口から噴出した高温のマグマが「溶岩流」となって地表を流れ降りる。

溶岩流は富士山の火口の位置や噴火規模によって異なるが、東西を結ぶ大動脈の東名、新東名高速道路まで最短2時間前後、東海道新幹線まで5時間での到達が予測されている。

最終的(最大57日後)には静岡県の三島市、神奈川県の小田原市、相模原市にも流入する見込みだ。

また、さまざまな岩の塊や火山ガス、水蒸気などが一体となり、高速で斜面を流れ落ちる「火砕流」も大きな被害をもたらす。

雲仙・普賢岳の噴火で、この言葉を初めて知った人も多いのではないだろうか。

火砕流は時速100キロ以上になることもあり、火山現象の中でも人命を奪う可能性が非常に高い。

長崎県の雲仙・普賢岳は1990年11月、198年ぶりに噴火活動を再開し、翌年6月に発生した火砕流は、死者40人、行方不明者3人、負傷者9人、建物被害179棟という、火山災害としては極めて凄惨な被害をもたらせた。

その後、噴火活動は約4年半続き、同県の島原市、深江町は度重なる火砕流災害、土石流災害に見舞われた。

富士山が噴火した場合、被害はまだ終わらない。

噴火に伴って火口付近の岩盤が吹き飛ばされ、これが「噴石」となって落下してくる。

20~30センチ以上の大きな噴石になると、コンクリートの建物にも穴を開けるような大きな破壊力を持っている。

2014年9月に長野県の御嶽山が噴火した際は、犠牲者の死因のほとんどが、噴石が当たったことによる損傷死だった。

2024年には20万4000人もの人が富士山に登っており、もし登山シーズンに噴火したら、被害がさらに甚大なものになることは容易に想像できる。

富士山近隣のみでなく、広範囲にわたり影響を及ぼすとされるのが「火山灰」だ。

2019年に国の検討会が、宝永噴火と同規模の大噴火が発生し、15日間続いたという想定でシミュレーションを行っている。

風に乗って広い範囲に運ばれる火山灰は、風向きにもよるが最終的に東京都新宿区で10センチ、三鷹市で15センチ、神奈川県相模原市で30センチ積もるとされている。

火山灰は粉のような質感で命を奪う危険性は低いといわれているが、実はガラス質で鋭利な形状をしており、吸引すると呼吸器官に影響を及ぼすほか、目に入れば失明する恐れもあるので注意が必要だ。

2016年に熊本県の阿蘇山が噴火したときは、60万トンを超える火山灰が一夜にして市街地を覆い、2万戸以上の大規模停電が発生した。

電柱に積もった火山灰が雨に濡れ、漏電したことが原因だ。

雨が降れば首都圏でも、大規模停電が起きることが予想される。